終わらない米金融危機対応、リスク投資の再開には限度

2008年 09月 22日 17:04 JST
 

 [東京 22日 ロイター] 22日の東京市場は株高/債券安。日経平均は1万2000円を回復した。米金融安定化策では公的資金による不良資産の買い入れが盛り込まれ踏み込んだ対策と評価する見方もあるが、一気にリスクを取る動きには発展していない。

 米株先物はアジア時間で100ポイント程度下落している。スキーム自体が有効に働くのかに慎重論が根強いことに加えて、民間金融機関の資本不足問題が解決しない限り、金融危機は終わらない、とみられている。

 <株式、水準訂正に一巡感>

 株式市場では日経平均が続伸し1万2000円台を回復している。米政府による総合金融安定化対策が明らかになったことで投資家の不安心理が後退した。「実現性や効果が不透明で実需筋の買いは少ないが、下値を売りにくくなったことは事実であり、戻り売りをこなし堅調を持続している」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。

 ただ、日経平均は米リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)破たん前の1万2200円水準まで上昇したあとは戻り一服となった。「リーマン破たんを受けてデレバレッジが急速に進んだことで過度に下落した分が、米国が金融安定に向けた対策を打ち出したことで水準訂正された。しかし、住宅ローンの悪化は続いており、これによる景気圧迫については今回の対策では手が打たれていない」(りそな信託銀行チーフ・ストラテジストの黒瀬浩一氏)との声が出るなど市場参加者は依然半信半疑だ。

 大和住銀投信投資顧問チーフストラテジストの門司総一郎氏は「市場では金融機関の資本増強に公的資金を使うところまで踏み込んだ対策が出てくるとの期待感が強かったが、その点については言及されていない。米大手投資銀行の危機観測が出ているなか、足元の危機に対しては対応が手薄となっている」という。

 門司氏は「3月にベアー・スターンズBSC.Nが破たんに直面したときは、減税など景気対策も打ち出したが、今回はファンダメンタルズに関しては何も対策が出ていない。大統領選挙前で流動的な時期ということもあり新たな減税を出しづらい状況ではあるが、市場対策だけでは根本的な解決にならないのではないか」と指摘している。

 三井住友銀行、市場営業推進部チーフストラテジストの宇野大介氏も、米金融安定化策は、不良資産買い取りの規模が不十分で、さらに金融システムのセーフティネットの枠組みとして妥当かどうか疑問といい「今回の金融システム不安の発端は不動産市況の下落にある。金融市場対策も重要だが、利下げや減税も含めた景気対策を打って、不動産市場の軟化を止めるのが先ではないか」と話す。  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ