国内金融システムは安定状態、邦銀収益力は改善足踏み=日銀リポート

2008年 09月 30日 17:54 JST
 

 [東京 30日 ロイター] 日銀は30日「金融システムリポート」を公表し、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題を契機としたグローバルな金融市場の動揺が続く中にあって、日本の金融システムは全体として安定した状態にあるが、基礎的な収益力の改善は足踏みしているほか、収益力、経営体力のばらつきも拡大してきているとの分析結果を示した。

 リポートによると、サブプライム問題に関する邦銀の損失は期間収益・自己資本で吸収可能な範囲にとどまっている。その理由としては、欧米に比べて証券化商品の組成・転売段階への関与が小さく、あくまでも投資家としてのエクスポージャーが大半であったことをあげている。

 サブプライムローン問題による国内外の資金フローに対する影響についても分析。米欧金融機関が融資姿勢を慎重化させる中、邦銀のクロスボーダ与信および非現地通貨建て現地向け与信残高は増加テンポを速めている。欧州、米国向け与信の割合が高いが、足もとではアジア大洋州向け与信の伸びも高まった。

また、非居住者ユーロ円債やサムライ債の発行が07年度に大きく増加し、08年度入り後も比較的高水準の発行を維持している。グローバルな金融市場の混乱が続く中、海外金融機関や事業法人が日本市場での資金調達のインセンティブを強めているように窺われるという。

 ただ、邦銀に対する市場の評価は悪化を示す指標がやや目立つ展開となっている。銀行の株価の動きは冴えないものとなっており、特に地域銀行の間で格差が広がっているのが特徴だとしている。格付けも格下げ方向の動きが格上げ方向をわずかに上回って推移、CDSプレミアムもやや高めの水準で推移している。

 また、国内景気が停滞するもとで、信用コストが増加に転じ始めており注意が必要だと指摘。不動産ファイナンスでは、金融機関の融資姿勢が慎重化の方向にあり、金融環境は厳しさを増す方向にあるとしている。

 
 

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