強まる景気下振れ懸念、利下げ慎重論も根強く警戒継続へ

2008年 10月 2日 18:30 JST
 

 志田 義寧記者

 [東京 2日 ロイター] 日本銀行が6、7日の両日開催する金融政策決定会合では、米証券大手リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の経営破綻(はたん)に端を発した金融危機に関して突っ込んだ議論が交わされそうだ。

 米下院で金融安定化法案が否決されたことで、株式市場は荒い値動きとなっているが、こうした動きが米景気をさらに悪化させ、延いては日本経済に悪影響を及ぼさないかどうか、注意深く点検する。日銀は景気の下振れリスクが強まったと判断しているが、インフレリスクを完全に拭い去れないことや緩和的な金融環境などを理由に、利下げに対する慎重論も依然根強い。政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を年0.5%前後に据え置き、今後も警戒を続ける見通しだ。 

 <需給悪化で企業活動に黄信号> 

 日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス3と、2003年6月調査(マイナス5)以来、5年3カ月ぶりのマイナスとなり、企業活動の面からも日本経済が後退局面に入った可能性が高いことがあらためて裏付けられた。

 とりわけ目立ったのが、需給判断の悪化だ。大企業製造業の業況判断DIは4・四半期連続の悪化となったが、これまではその原因について、交易条件の悪化を背景とする収益圧迫の一言で説明できた。しかし、今回は収益圧迫に加え、典型的な景気後退期にみられる需給判断の悪化が顕現化。日銀内では「景気の下振れリスクが強まった」(幹部)との見方が大勢を占めている。

 企業活動の悪化は生産面に顕著に表れている。経済産業省が9月30日に発表した8月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比3.5%低下の104.5となり、2006年6月以来の低い水準に落ち込んだ。前月比の下げ幅は、05年基準(03年1月まで遡及可能)で過去最大だ。

 さらに、在庫率指数も05年基準で過去最高の水準となった。出荷・在庫バランス(出荷の前年比から在庫の前年比を差し引いた数字)はマイナス圏内に突入、在庫調整の兆しも見え始めた。  続く...

 
 
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