株価は経常2割減益まで織り込みか、V字回復期待できず

2008年 10月 20日 18:33 JST
 

 [東京 20日 ロイター] 国内主力企業の4─9月期決算発表が今週スタートする。同時に明らかにされる2009年3月期業績予想について、市場では下方修正が相次ぎ、全体での経常減益幅は15─20%に拡大するとの予想が出ている。

 一方で、株価は金融危機を受けて先行してバリュエーション調整を進めたためこの程度の下方修正はすでに織り込んでいるとみる声が多い。ただ、世界的な景気悪化で業績回復時期は先送りされており、業績の急回復は期待できないとの意識は強く、決算発表を機に悪材料出尽くしとはなりにくい。

 <金融危機を受けて減益幅拡大へ>

 東証の集計によると、22日のKDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)、23日の信越化学工業(4063.T: 株価, ニュース, レポート)を皮切りに、27日に商船三井(9104.T: 株価, ニュース, レポート)、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)(2008年1─9月期決算)、28日にはパナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、29日にはソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)、新日鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)、30日に任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)、31日には三菱商事(8058.T: 株価, ニュース, レポート)などが決算を発表する。焦点のトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は11月6日だ。

 米欧が金融機関に対する公的資金注入を決断したことで世界的な金融危機はいったん歯止めがかかり、株式市場は次の課題として景気や企業業績の悪化に向き合うことになる。決算発表を通じて企業業績の悪化の程度を探り、先行して進んだバリュエーション調整との兼ね合いを模索する見通しだ。市場では「4─9月期決算の発表では、2009年3月期見通しの下方修正が相次ぐ」(生保)との見方がコンセンサスになっている。

 大和総研で企業業績見通しを取りまとめているシニアストラテジストの浜口政巳氏によると、直近の見通しを発表した9月4日の段階で2008年度の経常利益見通しは前年度比7.3%減益(対象は銀行・証券・保険を除く東証1部上場の主要300社で構成されるDIR300)。しかし、リーマン(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の破たんを契機とする世界的な金融危機でその後の収益予想は急速に悪化しており「企業サイドの見通し修正やアナリストの見方を織り込んで、足元でも減益幅は10%程度まで拡大している。今回の決算発表が終わるころには15─20%に減益幅が拡大する可能性がある」(浜口氏)という。

 野村証券金融経済研究所は14日付で企業収益見通しの前提を見直し、為替を円高方向に、原油価格を原油安方向に、鉱工業生産を悪化方向に変更した。新たな前提にたって業績予想を見直した結果、15日に2009年3月期の経常利益予想を同6.0%減益(9月8日時点)から18.7%減益に引き下げている(対象は金融を除くNOMURA400)。

 また、15.8%増益を予想していた2010年3月期についても1.7%減益と減益予想に修正。15日付リポートでは企業努力を指摘したうえで「減益は回避できる可能性が残っているが、自然体では減益となる可能性を意識しておく必要がでてきた」としている。  続く...

 
 
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