利下げ余地少ない日銀、欧米との金利差縮小で円高再開も
[東京 31日 ロイター] 日銀が7年半ぶりの金融緩和に踏み切ったが、利下げ幅が小幅にとどまったとの受け止め方から、リスク投資に向けた刺激材料にはならなかった。
逆に、ここ数日に大幅な水準訂正をしていた株式や円相場にはポジションを閉じる動きが強まった。日経平均が再び9000円を大きく割り込んだほか、ドル/円も96円前半まで下落した。下げ余地からみて、日銀の利下げは今回で打ち止め、との見方もあり、一段の利下げを視野に入れる米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)との違いが市場でクローズアップされれば、再び円高圧力がかかる可能性が残っている。
<利下げで利益確定売り、大底確認はまだ先か>
株式市場では日経平均が終値で450円を超す下げ幅となった。日銀の利下げ発表で材料出尽くし感が出たことに加え、月末要因や3連休控えで大引けにかけてポジション調整売りが膨らみ下げ幅を拡大させた。「前日までの3日間で約2000円値幅の上昇だったことを考えれば当然の調整だ。もともと利益確定売りを予定していた投資家が政策決定会合を見極めた上で売りを出してきた」(大手証券エクイティ部)という。
日銀は31日開催の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の0.5%から0.3%に引き下げることを決めた。賛成4・反対4だったため、議長である白川方明総裁が決定した。日銀は、景気の下振れ懸念が強まっていることから、金融調節面での対応力を強化することを通じて、緩和的な金融環境の確保を図ることが必要と判断した。
市場では「圧倒的な多数で0.25%ポイントの利下げを織り込んでいただけに、0.2%はやや失望感がある。金利生活者への配慮があるのかも知れない。しかし、協調が求められている中で利下げを実施し、国際的な責任をある程度は果たした」(三菱UFJ証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)との声が聞かれた。
今週は28日以来、円急騰と株安の連鎖には歯止めがかかっていたが、不安心理はなお強い。
りそな信託銀行チーフ・ストラテジストの黒瀬浩一氏は「今の円高の背景にあるのは、世界的にリスク意識が高くなっている中で円が一番の安全通貨になっていることだ。このため、利下げによる円高是正には限度がある」と話す。そして「今回の利下げは織り込み済み。景気がさらに悪化すれば株価は再び大きく下落する可能性も否定できず、日経平均7000円割れで大底を打ったとはいえない」と警戒する。 続く...













