トヨタの大幅下方修正、体質改善の絶好機とも

2008年 11月 7日 15:02 JST
 

 [東京 7日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の業績下方修正は大きな「ショック」となったが、同時に体質改善を進める絶好の機会だとの見方も出ている。

 10─3月の半期の営業利益予想がわずか180億円という「衝撃」は、これまでの販売拡大で伸びきった組織をスリム化させ、調達などの見直しを積極的に進めることができるインパクトがあるという。株価は短期的な調整を余儀なくされる可能性が大きいが、中期的な成長力は依然高いとの見方も少なくない。

 <大きなショックは同時にチャンス>

 09年3月期の営業利益予想が「1兆円を下回る」との事前観測報道はあったものの、実際は従来予想を「1兆円下回る」6000億円。その衝撃は「経験したことがないレベルのネガティブ・サプライズ」(日興シティグループ証券)、「『超』がつくほどのネガティブ・サプライズ」(野村証券)──とアナリストを動揺させるほど。株価は業績の下方修正観測もあり前日6日から下げていたが、7日も売りが止まらず一時ストップ安となる前日比500円安の3310円まで下落した。デンソー(6902.T: 株価, ニュース, レポート)やアイシン精機(7259.T: 株価, ニュース, レポート)など系列部品メーカーも一時ストップ安まで売られた。

 下方修正の主要因は北米販売の減少と円高だが、下期の営業利益予想を180億円と大きく引き下げた裏にはトヨタの強烈なメッセージがあるとの声がアナリストからは聞かれる。

 ゴールドマンサックス証券の自動車担当アナリストである湯澤康太氏は7日付リポートのなかで「下期ブレークイーブンの会社予想はトヨタ社内に対する危機意識の警鐘であるとともに、系列部品メーカー、競合メーカー、調達先など様々なステークホルダー(利害関係者)に対する強烈なメッセージ」と指摘。現在は「緊急事態」であるとして、国内外の生産体制の見直しや設備投資の大幅な抑制、調達先への価格要求の増大などに取り組む可能性が大きいという。「中長期的視点に立てば(販売拡大で)兵站(組織)が伸び切った社内外の体質改善を進め、次の競争の源泉を確立する重要な時期に差しかかっている」と湯澤氏は述べている。

 円高は短期的には輸出企業にマイナス要因だが、長期的に見れば体質改善を促しプラスとなるとの見方は多い。市場では「世界有数のブランド力が消えるわけではないし、ハイブリッド車など省エネ技術も有しており中期的な成長力は依然高い。体質改善が進めば逆にチャンスとなる」(準大手証券エクイティ部)との声も出ている。

 <財務体質の強さがあらためてクローズアップ>  続く...

 
 
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