10月貿易黒字、前年比9割減予想
[東京 14日 ロイター] ロイターが民間調査機関の予測をまとめたところ、財務省が20日午前8時50分に発表する10月貿易収支(原数値)の予想中央値は800億円程度の黒字で、前年比マイナス90.7%の大幅減少となりそうだ。
外需減速を反映して輸出が減少に転じることが主因。また回答シンクタンクのうち、6社が赤字を予想しており、8月に次いで2カ月ぶりに赤字に転落する可能性も否定できない。
8月の収支は3240億円の赤字と、1月を除くと1982年11月以来、26年ぶりの赤字となった。9月はかろうじて赤字を回避したものの「輸入価格高止まりと輸出不振のダブルパンチ」(モルガン・スタンレー証券)で、黒字額は前年比9割減となった。
10月について民間エコノミストからは「海外経済の減速を背景に輸出は低迷するが、原油価格急落を受けた輸入価格の低下により輸入の伸びが急速に鈍化するため、貿易収支の減少幅は若干縮小する」(ニッセイ基礎研)、「内外需要減退と円高が輸出入金額をとも押し下げる。輸入金額についてはさらに資源価格急落を映じて前年比伸び率が5カ月ぶりに1けた台に縮小。前年比では貿易黒字の縮小基調が続く」(みずほ総研)などの声が聞かれた。
エコノミストによると、10月の輸出は前年比8%減と、2001年12月(14.5%減)以来の大幅減少となりそうだ。一方、輸入も4.5%増と、6─8月の2けた増から大きく鈍化する見通し。
このところ、米国向け、EU向け輸出の前年比マイナスが定着する一方、アジア向け輸出も、9月が同プラス2.9%にとどまるなど、鈍化傾向が強まっている。一方、これまで輸入を押し上げてきた原粗油価格をみると、10月上旬・中旬の平均は1バレル=103ドル程度となり、前年比上昇率はプラス35%程度と、9月のプラス69.6%から大きく鈍化している。
既に発表されている10月上中旬貿易収支は1718億円の赤字となった。上中旬統計での赤字は3カ月連続。輸入が前年比3.8%増加した一方で、輸出は9.9%減となった。輸出押し下げには自動車、半導体等電子部品などが、輸入押し上げには原粗油、石炭、液化天然ガスなどが寄与したという。
今後については「円高の進捗を考慮すると、今後は価格面からも輸出に収縮圧力がかかる可能性がある。輸入は資源・穀物価格の高騰により主に価格面で押し上げられてきた。しかし、これらの価格の下落とともに、数量面でも輸入の減少が鮮明となろう」(バークレイズ・キャピタル証券)、「今後は原油価格の大幅下落で輸入額が減少に転じるだろうが、円高と米欧向けの輸出停滞で貿易黒字は低い水準で推移すると予想される」(信金中金総研)、「10─12月以降の外需は悪化ペースが加速する見込みで、GDPでのマイナス寄与も視野に入る」(アール・ビー・エス証券)など、輸出入ともに減速感が強まるとの予想が多い。
(ロイター日本語ニュース 児玉 成夫記者)
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