中国の景気刺激策、アジア諸国の救世主にはならず

2008年 11月 18日 18:01 JST
 

 森佳子記者

 [東京 18日 ロイター] 中国は2010年末までに総額4兆元(約57兆円)を投じる大規模な景気刺激策を発表したが、これによって中国が来年8%以上の成長率を達成したとしても、日本を含めた近隣アジア諸国への波及効果は限定的とみられる。

 中国国務院(内閣に相当)は9日、世界的な信用危機のなか、内需を押し上げ国内経済を支援するため、今後約2年で総額4兆元の財政出動を行うと発表した。

 新華社が報じた政府の声明は「過去2カ月間に世界的な金融危機が深刻化したことを踏まえると、政府は複雑で変化しつつある状況に対応するため、柔軟かつ慎重なマクロ経済政策を取る必要がある」としている。

 この景気刺激策は、中国の年間国内総生産(GDP)の16%に相当するが、専門家や市場は景気刺激策の効果について慎重な見方をしている。

 「仮に全額が真水で新規資金と仮定すると、GDPの押し上げ効果は8%程度となり、成長率は現在の9%から10%台後半に急進することになる。これでは昨年11.9%だった景気を過熱と判断し、金融を引き締めた説明がつかない」と野村証券・金融経済研究所・シニアエコノミストの佐野鉄司氏はいう。

 エコノミストの間では、「刺激策の具体的内容が出てこないので、継続案件の公共事業なども4兆元に含まれ、追加分は限定的」(外銀エコノミスト)との見方が一般的だ。他方、真水部分が全体規模の1%と推計するエコノミストもいる。

 <中国の潜在成長率と近隣国>  続く...

 
 
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