焦点:輸出の減少傾向アジアに波及、生産・景気へ下押し懸念強まる
[東京 20日 ロイター] 財務省が20日発表した10月貿易統計は、市場の予想を大幅に下回り、8月以来の赤字となった。輸出も前年比マイナス7.7%と、2001年12月(同14.5%減)以来の大幅マイナスとなった。
輸出の減少傾向が、米国・EUから、アジア・新興国へ広がってきたためだ。そのため、輸出への下押し圧力は、今後さらに強まりそうだ。日本経済はこれまで明確な輸出依存体質であっただけに、生産・景気への悪影響が今後鮮明となりそうだ。
<デカップリング論、敗れたり>
10月統計で特に注目を集めたのは、これまで、対米・対欧州連合(EU)輸出の減少を補ってきた対アジア輸出が、前年比マイナスに転じた点だ。「ついに欧米の景気悪化の2次的な影響がアジア経済に波及」(ドイツ証券シニアエコノミストの安達誠司氏)した格好だ。対アジア輸出は前年比4.0%減と、80カ月ぶりのマイナスに転じた。対アジア輸出の中核である中国向け輸出も0.9%減と、41カ月ぶりのマイナスとなった。
こうした動きを受けて民間エコノミストからは「かつての『デカップリング』からは程遠い悪い内容」(アール・ビー・エス証券チーフエコノミスト・ジャパンの西岡純子氏)、「欧米の落ち込みを新興国・資源国がカバーするという『弱い景気シナリオ』は今や幻想」(野村証券・シニアストラテジストの冨永敦生氏)などの声が相次いだ。先進国向け輸出の減少をアジア・新興国の輸出が補うという、いわゆる「デカップリング論」は過去のものになりつつあるようだ。
新興国向け輸出の減速も鮮明だ。10月のインド向け輸出は6.0%の伸びにとどまり、今年4─9月期の19.1%増から大きく鈍化した。ロシア向けも51.8%増から24.0%増に、中東向けも21.1%増から11.3%増に大きく減速している。
<一方的な貿易赤字拡大はなさそう>
8月、10月と赤字となったものの、今後の貿易収支については「一方的に貿易赤字が拡大する状況でもない」(東洋証券・情報部ストラテジストの檜和田浩昭氏)との予想が多い。輸出減少が続くものの、輸入増加の勢いも11月以後、衰えると見られるためだ。 続く...
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