輸出関連株が総崩れ、円高リスクで反転後も主導は内需株に

2008年 11月 20日 16:20 JST
 

 水野 文也記者

 [東京 20日 ロイター] 輸出関連株が再び総崩れの状態となってきた。世界景気の先行きに不透明感が強い中、足元の統計でも輸出減少、貿易赤字となるなど実態の厳しさが鮮明になっている。

 主要輸出先である米国が新政権の誕生後に強力な施策が打ち出され、景気が上向きに転じた場合も円高リスクが残るため、市場が落ち着きを取り戻し株価が反転に向いたとしても、戻り相場は内需株が主導するとの見方が多い。

 20日の東京株式市場は、日経平均が前日比500円を超す大幅な下落となるとともにチャートは底割れし、10月28日の安値6994円90銭を指向する動きとなった。下げ相場をリードしたのが、電機・自動車を中心とした輸出関連株。世界的な景気低迷を背景に製品需要が低迷しているほか、急速な円高進行によって採算も悪化している。新光総合研究所が集計した09年3月期の業種別経常利益見通しは、電機セクターが前年比29.9%減益、自動車などの輸送機器が同55.4%減益と悪化する見込みだ。

 マクロ統計からも状況の厳しさがうかがえる。20日に財務省が発表した10月の貿易統計速報によると、貿易収支は639億円の赤字となった。赤字は8月以来で、ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は800億円の黒字で、発表数値は予想を下回っている。輸出は前年比7.7%の減少、対米黒字は前年比27.5%の減少、対中国輸出は同0.9%の減少と、外需依存度が高い日本経済が厳しい状況にあることを示した。

 市場では「問題の根源である米国がオバマ新政権発足後に強力な政策を打ち出し、多少なりとも米景気の回復が見込まれるようになれば、輸出関連株も下げ止まる可能性が出てくる」(中堅証券幹部)との指摘もある。しかし、かりに世界的に製品需要が上向きに転じたとしても、その後も円高リスクが大きい状況が続くため、輸出関連株は戻りのリード役にはなりにくいとみる向きが少なくない。

 クレディ・スイス証券・ストラテジストの市川眞一氏は「オバマ新政権が誕生するが、金融危機や景気停滞など足元の経済状況がクリントン元大統領の就任当初とかなり重なる」とした上で「家計・企業のバランスシート調整を要する現在の米国は、クリントン政権前半と同様に『雇用なき回復』局面に入ることが想定される。そこでは対日姿勢が厳しいものとなり、円高圧力が続きそうだ」と指摘する。

 また、エース証券・専務の子幡健二氏は「おそらく新政権は財政問題を気にせず、思い切った景気対策を打ち出すと思われる。それは米景気に活況をもたらす半面、財政は一段と悪化。外為市場はドル安/円高に振れやすくなり、米国向け輸出は回復したとしても日本の輸出産業の採算改善は進まないリスクが続く」と語っていた。  続く...

 
 
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