アイスランド危機継続、最悪なら債務免除要請も
吉池 威記者
[東京 20日 ロイター] アイスランドに対する国際通貨基金(IMF)などの支援策がまとまったものの、同国の危機観測は後退していない。通貨クローナの下落に歯止めがかからず、国内総生産(GDP)の500%超に膨れ上がった対外債務がさらに増大する可能性がある。
数十億ドル規模の支援策では到底カバーできないとみられており、今後は追加融資に迫られるほか、最悪の場合には債務免除要請の可能性も浮上している。
IMFは19日、総額21億ドルの対アイスランド融資を承認した。北欧4カ国もすでに25億ドルを融資することで合意しているが、ロシアは先に40億ドルの支援は多すぎるとの見解を示しており、関係各国からの支援は総額50―60億ドル程度にとどまる見通し。IMFが9月に発表したアイスランドの2008年GDP見通しは200億ドル。対外債務はGDPの500%超にのぼるため、単純計算で1000億ドル規模に達する。BNPパリバ証券クレジット調査部長の中空麻奈氏は、各国からの支援について、当面必要な資金を確保した程度で「モラトリアム(支払い猶予)の期限が迫れば債務の繰り延べは不可欠」との見方を示す。
モラトリアムの期限については特に定められていないが、過去にデフォルト(債務不履行)したアルゼンチンが立ち直った期間を考慮すると、中空氏は4―5年が限度としている。つまり、アイスランドの場合、2012年くらいには信用回復の段階に入っていなければならないことになる。その間、50億ドルあまりの援助資金も底を突くことが予想されるため、追加融資の必要性も出てきそうだ。それでも再建が進まなければ、「関係各国に徳政令を出すことになる」(中空氏)という。つまり債務免除の要請である。
対外債務が増大する国にとって重要なのは通貨安を止めることだが、アイスランドクローナは下落に歯止めがかかっていない。ロイターデータによると、1ドル=140.16/21クローナ付近。10月初旬には一時143クローナ付近に下落したが、その直後のワシントンで開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後、いったんは100―110クローナに上昇した。しかし、各国との支援交渉の過程で足元では10月初旬の最安値に接近している。外為市場では、売りと買いが出合っていないという外銀関係者の指摘もある。
IMFは19日、アイスランド経済について、金融危機により2009年には深刻な景気後退(リセッション)に陥り、失業率は5.7%と、これまでの4倍に急上昇する公算が大きいとの見通しを示した。また、GDPの実質伸び率について、2008年はプラス1.6%だが、2009年はマイナス9.6%に落ち込むと予想している。アイスランドのハーデ首相は今週、独紙のインタビューでIMFの支援により同国経済の回復は早まるとの認識を示し、「2010年には復活する」と述べた。
しかし、ハーデ首相は10月30日、同国の金融セクターの危機による損失額について、2007年のGDPの85%に当たる90億ドルあまりに達する可能性があるとの見通しを示した。首相府が発表した声明によると、同首相は国会で、09年の財政赤字がGDPの最大10%に上る可能性があると語った。 続く...
















