低金利効果、浸透しないリスク高まる=日銀総裁
[福岡 1日 ロイター] 白川方明日銀総裁は1日、福岡市内で講演し、国内の金融環境について、このところ緩和度合いが急速に低下しているとして、低金利効果が実体経済に浸透しなくなるリスクが高まっている、との厳しい認識を示した。
金融政策運営については「経済・物価の見通しとそのがい然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、適切に行っていく」との方針を繰り返した上で、「当面は景気の下振れリスクに注意を払うことが重要」と強調した。
<停滞色が急速に強まっている>
白川総裁は、国内景気について「ここにきて停滞色が急速に強まっている」と指摘。「先週末に公表された経済データは、鉱工業生産指数をはじめ、厳しい経済動向を示すものだった」と危機感をあらわにした。先行きについても「当面、停滞色が強い状態が続く」と厳しい見方を示し、10月末に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で触れていた成長経路に戻る時期については明言しなかった。
米欧の金融市場に比べ相対的に落ち着いていた国内金融市場については「米リーマン・ブラザーズの破たん以降、状況が大きく変化した」と指摘。「現在でも日本の短期金融市場の状況は相対的に恵まれているが、日本でも金融面から実体経済への下押し圧力が高まる可能性について、十分な点検が必要な情勢になってきている」と述べ、警戒感を一段と強めた。
こうした状況を受け、国内ではコマーシャルペーパー(CP)の発行環境が急速に悪化しているが、白川総裁は発行金利について「1998年から99年に企業金融が大きくひっ迫し、クレジット・クランチと呼ばれた時期と比べると、まだ水準は多少低いものの、金利上昇スピードなどは、当時と概ね同じ動きを示している」と厳しい見方を示した。
その上で、国内の金融環境に関して「特に資金のアベイラビリティ面を中心に、国際金融資本市場の動揺の影響などから、緩和度合いがこのところ急速に低下しているようにうかがわれる」と指摘。「現在の低金利の効果が実体経済に浸透しなくなるリスクが高まっている」と懸念を示した。
白川総裁は「国際金融資本市場がさらに動揺した場合には、投資家のリスク回避姿勢が一段と強まり、市場からの資金調達が一段と困難になるリスクがある」として、「今後の動きを十分注視していきたい」と語った。 続く...












