ドルはポンドの轍踏むか、19世紀の危機が示唆する危機後の秩序
[東京 11日 ロイター] グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は、今回の金融危機を「100年に1度あるかないかの深刻なもの」と評している。
今回に類似する一連の出来事、つまり自由な資本移動(グローバリゼーション)、資本が過剰流入した国でのバブル造成とその破裂、金融危機、中央銀行による救済は19世紀後半の英国を震源地に既に一度起きている。
この時、危機後の世界では、資本規制が導入され、国家の経済への介入が増し、保護主義の波が押し寄せ、2度の世界戦争が勃発した。また英ポンドの地位は低下し、ドルが台頭した。
現在の金融危機は、1980年代から始まった第2次グローバリゼーションの下で起きており、国家の経済介入は日増しに強まりつつある。今後は、保護主義の機運が高まるか、ドルが英ポンドと同様に凋落の運命をたどるかが注目される。
<ベアリング危機と現在の危機>
19世紀後半の「ベアリング危機」は危機に至るプロセスが現在の金融危機と酷似している。しかし、中銀による投資銀行救済は、金本位制という国際通貨システムが存在した当事と現在では異なる。
英国では1800年代半ば、綿織物、鉄鋼などの主要輸出品目を中心に国内投資が盛んに行われ、農業・工業生産が急増した。しかし、生産拡大は1800年代後半になると一転して過剰を生み、農産物・工業品が値崩れし、1873―1896年の大不況へとなだれ込んだ。
金融面では、不況のあおりで資金需要が低迷し、英国債(コンソル)利回りが低下した。英国の地主などの富裕層や金融セクターは、高金利を求めて海外証券投資を活発化。資本移動が原則自由であったことも手伝って、低金利の英国からの資本流出(海外証券投資)は急ピッチで拡大した。 続く...
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