インタビュー:今後も金融ハイテクは必要=作家・石田衣良氏
[東京 29日 ロイター] 作家の石田衣良氏はロイターとのインタビューで、米国を起点にした世界的なバブル崩壊現象を踏まえたうえで、金融機能を全否定するのではなく、規制や運営方法を見直した上で金融ハイテク技術は必要だと指摘した。
その上で個人が市場経済の影響から免れることはできないとし、積極的にリスクと向き合う個人投資家にエールを送った。金融市場が個人にも開かれていることを強調し、社会として欲望をコントロールする新しい価値観を創造することの重要性についても述べた。
石田氏は小説「池袋ウエストゲートパーク」でデビューし、2003年に「4TEEN」で第129回直木賞を受賞。青春や恋愛小説だけでなく、ITや金融を題材にした作品まで幅広く手がける。2001年に発表した「波のうえの魔術師」で1990年代後半の金融危機を背景に株式市場で勝負を挑む青年の成長を描いた。「大学時代、アルバイトで稼いだ100万円をジーンズのポケットに証券会社にはじめて口座を開い」て以来の個人投資家で、その経験が小説の中で生かされている。今でも毎朝、日経平均株価をチェックし、場帳を付けることを欠かさない。
インタビューの主なやり取りは以下の通り。
――今回の金融危機をどう受け止めたか。
「今回のバブル崩壊は、震源地のアメリカ経済の規模が大きかったので、それが破れて大変なことになったというだけのことだ。構造変化が大きく起こっているわけではなく、何かの終わりの始まりだとか、経済がまったく変わるのだとは考えなくてもいい。どこの国でもバブルは必ずある」
「日本人は潔くあることが好きだ。1980年代のバブル時に当時の日銀総裁が、バブルの泡は一粒たりとも見逃さないと発言して極端な引き締め政策を取った。今回の件でも、金融市場主義が崩壊したとか、金融はもう一切ダメだという雰囲気になっている。しかし、人間が作ったさまざまな技術はやはり必要で、多くの人にとって有用だから生き残っている。今回も金融に対する規制や運営方法を見直した上で、金融ハイテク技術も必要だと考えるべきではないか」
――モノ作りに回帰すべきだという意見もある。 続く...















