焦点:日銀決定会合、「追加的ショック」のリスクや対応策を議論
[東京 2日 ロイター] 日銀は6、7日に開く金融政策決定会合で、足元で厳しさを増す景気がどの時点で下げ止まりから回復基調に入るのか検討を進めるとともに、「追加的なショック」が発生する可能性や対応策について議論する。
その場合の政策手段として、金融市場の安定化策や企業の資金繰り支援策の強化が取り上げられるとみられ、無担保コール翌日物金利の誘導水準は現行の0.1%を維持する見通しだ。
日銀は、4─6月期に生産がようやく下げ止まる可能性をみせてきたと判断しているが、複数の幹部は7─9月期から回復基調に入るとの確証を得ていないとの見解を示す。確かに米、欧などの各国が大規模な財政出動に動くことを表明したことから、輸出に依存する日本経済にとっては好材料がみえるが、その効果だけで日本経済が自律反発の過程に入るとの見方は取っていない。呼び水の財政支出をきっかけに景気が自律回復の過程に入るかどうかはまだ判断できないとして、日銀は警戒態勢を崩していない。
仮に自律回復への道が険しくなれば、「追加的なショック」が発生して日本経済を強く下押しするリスクが高まると日銀では想定しており、新たな政策対応が求められることになる。その際は社債買い取り条件の緩和や指値オペの担保拡充などが議論される可能性がありそうだ。
また、この先の経済の下押し圧力がかなり増大しそうだと判断することになれば、国債買い切りの増額を通じて、より多くのマネーを市場に供給することも議論される可能性がある。ただ、この場合は日銀が保有する長期国債残高は銀行券の発行残高を超えないとする「銀行券ルール」を変更しなければ、実際の増額は難しい。ルール変更は財政ファイナンスに直結するとの批判が日銀内に根強いだけに、この問題に踏み込むには、日銀内で金融経済情勢への相当に厳しい認識が前提になりそうだ。
日銀内では、実際に景気が失速するかどうかを判断するのは、夏場になってからとの声が多い。各国の財政出動の経済効果がどの程度になるかを見極めて景気の先行きを判断するには、相応の期間が必要と見ているからだ。仮に燃料切れで腰折れする懸念が強まれば「企業の中長期的な成長期待が低下し、設備や雇用の調整圧力が高まることを通じて、国内民間需要が一層下振れるリスク」(山口広秀副総裁、3月25日講演)が現実味を帯びてくるため、追加策の検討に入る公算が大きくなる。
日銀がもう1つ想定している「追加的ショック」は、金融環境が大きく崩れるかどうかだ。企業の資金調達環境は、CPの発行環境が改善しているほか、銀行も大企業向けを中心に貸し出しを伸ばしており、「昨年末に比べると厳しさが和らいでいる」(日銀幹部)。一方で、企業の資金需要も、生産・在庫調整費用の減少に加え、設備投資の落ち込みなどもあり、全体的には落ち着いてきていると判断している。
しかし、株価や企業決算の行方次第で銀行の貸し出し姿勢が厳格化したり、ひところに比べ回復しているCP・社債の発行環境が再び凍りつくようなことがあれば、企業の資金調達のしやすさ(アベイラビリティ)面での対応を迫られる可能性も否定できない。日銀もこうしたリスクシナリオへの警戒を強めている。 続く...













