焦点: 日銀は過度の楽観戒めるスタンス
[東京 30日 ロイター] 足元で生産の持ち直しが鮮明になり、追加経済対策の効果も年後半にかけて期待できる状況になってきたが、日銀は景気の先行きに対する過度の楽観を戒めるスタンスを取っている。
30日に発表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、日本経済が海外経済の動向に大きく依存していると指摘するとともに、下振れリスクが残存していることを強調した。日銀は不測の事態が生じた場合には、市場の安定化、企業金融支援という金融政策の第2、第3の柱を中心に対応していく姿勢を今後も取っていくとみられ、厳戒態勢はなお継続しそうだ。
<鉱工業生産、4─6月期に大幅上昇の公算>
日銀は展望リポートで「見通し期間後半には、潜在成長率を上回る成長に復帰していく姿が想定される」との先行き持ち直しシナリオを維持しつつ、09年度・10年度の実質国内総生産(GDP)見通しを、ともに引き下げた。
これは10─12月期、1─3月期の急激な景気悪化の影響で、09年度GDPへのゲタが大幅マイナスになるとみられるためだ。白川方明総裁は30日の会見で、ゲタはマイナス5%程度と指摘した。09年度の各四半期の成長が前期比ゼロ%にとどまれば、年度全体ではマイナス5%程度のマイナス成長に陥ることになる。
一方、先行き持ち直しシナリオは維持されたが、足元で過剰在庫の調整などが進展して、輸出・生産の下げ止まりが鮮明になりつつある中、日銀がこれまで取ってきた緩和策、政府が発表した経済危機対策や定率給付金などが今後、効果を表すと見られるためだ。
経済産業省が30日発表した3月鉱工業生産では、自動車、電子部品を中心に在庫調整は大きく進展した。そうした要因もあり、4月、5月の生産見通しはそれぞれ前月比4.3%、6.1%の大幅上昇となった。その結果、4─6月期は前期比プラス6%程度の大幅な上昇が見込まれている。内閣府試算によれば、追加経済対策で、09年度のGDPは1.9%程度押し上げ、20万人の新規雇用創出が見込まれるという。
<海外動向中心に依然強い警戒感> 続く...












