小沢辞任は「民主に追い風」の声、不透明感増幅も

2009年 05月 11日 23:10 JST
 

  [東京 11日 ロイター] 民主党の小沢一郎代表の辞任を受け、株式市場の一部では次期総選挙で政権交代の可能性が高まったとの見方が出ている。

 一方で、政府・与党が過去最大規模の追加経済対策を実行に移す姿勢を打ち出し、麻生太郎首相への支持率が上昇。最近では自公政権の存続を望む声さえ市場には出ていただけに、政局の不透明感を嫌気する動きも予想される。

 株価への直接的な影響は乏しいとみられるものの、海外勢の動向も含め、政局が久しぶりに株式市場の材料に浮上する気配だ。

 週明け11日の東京株式市場では、日経平均が5日続伸。TOPIXとともに年初来高値を更新した。上値では年金筋などの売りが出て、レンジ内で方向感の乏しい展開となったが、米系ファンドなど海外勢を中心に堅調な値動きとなった。トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が8日に赤字拡大見通しを発表したことを受けて自動車株は全般に軟調となったが、「トヨタ・ショック」は相場全体に波及しなかったようだ。

 こうした地合いから、第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏は「経済指標などで景気回復への期待感が高まってきた中、仮に選挙のタイミングが早まったとしても、今の株式市場は選挙による政策実行の遅れを心配するようなセンチメントではない」などといった理由から、株式市場への影響は限定的との見方を示している。日興コーディアル証券・シニアストラテジストの河田剛氏は「日本は短期間で首相が代わり、そのたびに政策運営が変更されるので投資家にイメージがよくない」と指摘する。

 共同通信によると、ジャーナリスト田原総一朗氏(75)は11日、大津市での記者会見で「小沢代表が辞めれば、民主党は政権交代ができる」との考えを示した。また、民主党の長島昭久衆院議員は「小沢氏が代表を続ければ民主に不利とする報道などを受けて辞任を決意したのであれば、民主党にとっては党勢を盛り返すチャンス」としている。次の代表として本命視される民主党の岡田克也副代表は11日、国会内で記者団に対し代表選への出馬について「これからゆっくり考える。誰がリーダーをやることが最も政権交代につながるかだ」と述べた。

 みずほ証券・シニアエコノミストの飯塚尚己氏は「日本で政権交代できないのは、構造的な問題によると海外投資家はみており、国内の有権者の中でも非自民へのマグマはたまっている」と述べた。その上で「海外投資家が期待していなかった日本での政権交代により、内需停滞の常識を打ち破る可能性がある。衆院が民主党政権になれば衆参ねじれ現象が修正され、政策決定のスピードが速まる」とメリットを強調する。

 さらに足元堅調な値動きの株価について、日経平均が1万円に向かう相場なら「サポート材料になる」との見方を示す。一方、日興コーディアルの河田氏は、政策決定が迅速化されることは評価されるが、政治への期待が乏しいため「材料にはなりにくい」としながら状況を見守る姿勢だ。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)

 
 
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