大手電機の赤字縮小はコスト削減に依存、次の成長けん引役不在
[東京 15日 ロイター] 大手電機メーカーの業績不振が長期化するおそれが出てきた。大手8社による2010年3月期(今期)業績予想は、景気回復や国内外での政策支援など外部環境好転の期待に加え、コスト削減を通じて年度後半に業績回復させるシナリオを示した。
ただ、次の成長をけん引する商品やサービスは見当たらず、世界経済が回復局面に入っても、日本メーカーの多くが取り残される可能性も否定できない。
<8社合計損益は2期連続の最終赤字、幅は縮小>
15日に出そろった大手電機8社の今期業績見通しは、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)の5社が最終赤字の見通し。8社の当期損益予想を合計すると6220億円の赤字だが、09年3月(前期)における2兆1312億円からは改善する。また、前期は東芝、ソニー、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)、NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)の4社が赤字だった営業損益でみると、今期はソニーだけが赤字予想で、7社は通期での営業黒字を予想している。ソニーの予想も他社と同様、構造改革費用を特別損益に計上すれば営業赤字はなくなる計算だ。
各社の赤字幅縮小は、コスト削減と下期以降の事業環境の改善を見込むことが主要因。NECは前期比で2700億円の固定費削減を実施する計画で、矢野薫社長は会見で「十分に達成可能」と強調。人員削減や製造拠点の統廃合で、ソニーは前年比3000億円、パナソニックは同1350億円のコスト削減を見込む。他社もコスト削減の実行には概ね自信を示している。
<デジタル家電・半導体、下期回復の期待>
一方、受注や業績回復時期の想定は下期に集中している。東芝は「下期は回復を見込んでいて、(前年同期比)増収増益になるとみている」(村岡富美雄専務)と説明。NECの半導体子会社、NECエレクトロニクス(6723.T: 株価, ニュース, レポート)は「下期に世界中で景気対策を打っているので、半導体市況も今よりも良くなる方向だ」(次期社長の山口純史常務)との見方を示した。
シャープは液晶テレビの赤字幅が前期の約530億円から今期は約110億円へ縮小を予想。15日からは国内で省エネ家電の購買を促進するエコポイント制度がスタートし、中国は農村部での家電普及を狙った「家電下郷政策」が行われ、同社の液晶パネル・テレビ事業にとって追い風には違いない。濱野稔重副社長は「ポイント制と家電下郷、新興国の伸びが、欧米の落ち込みをカバーする」と期待感を示した。 続く...












