揺らぐ景気回復期待、輸出株と小売株の逆転現象も
[東京 3日 ロイター] 3月以来の株価反発を支えてきた景気回復期待が揺らいでいる。6月の米雇用統計が予想外の悪化となり、今後の世界経済のカギを握る米国消費への不安が強まっているためだ。
日本でも雇用情勢の悪化に加え、所得が低下傾向にあり、消費への影響が懸念されている。こうした中で、米株安では通常売られる輸出株が買われ、ディフェンシブ銘柄である小売り株が売られる逆転現象も起きている。
<雇用悪化懸念で貯蓄に回る米所得>
6月の米非農業部門雇用者数は46万7000人減少とロイター予想の36万3000人減を上回り、失業率は1983年8月の水準に並ぶ9.5%に上昇した。前月まで4カ月連続で縮小してきた減少幅が再び拡大。徐々に強まっていた景気底打ち期待に水を差した。2日の米ダウは200ドルを超える大幅な下落をみせ、日本でも日経平均が続落した。
実は米国の個人所得は予想外に堅調だ。減税や社会保障給付など景気刺激策の効果で5月の米個人所得はプラス1.4%と予想のプラス0.3%を大幅に上回った。
だが大規模小売店売上高指数や米チェーンストア週間売上高指数など6月に入ってからの消費はさえない。5月の米小売売上高は前月比0.5%増と3カ月ぶりにプラスに転じたが、ガソリン価格の上昇による影響が大きかったとみられている。
消費が低調な背景のひとつは貯蓄率の上昇だ。5月の米個人貯蓄は年間で7688億ドルと、統計が開始された1959年以降で最大。個人貯蓄率は6.9%と、1993年12月以来の高水準となった。「雇用などの悪化を懸念し、個人が所得を貯蓄により多く回している」(日興シティグループ証券エコノミストの村嶋帰一氏)という。
積極的な金融緩和や、官民共同ファンドプログラム(PPIP)の実施で米国金融問題に解決の道筋が示されたことなどから市場のリスクプレミアムが縮小。3月以降、世界的に株価は回復したが、景気に関しては期待先行の面が大きく、生産などの水準は前年と比べ依然水面下だ。もう一段の株価上昇をうかがうには実体経済の明確な回復が欠かせない。 続く...












