民主党政権に不信募らす金融市場、既成政党にも批判的
[東京 30日 ロイター] 金融市場の民主党政権への不信感が強まっている。消費税引き上げに進むなかでダムや新幹線など旧来型の公共事業にゴーサインを出したことで、財政規律の緩みを懸念する市場の批判が増幅したかたちだ。
消費増税では野党だけでなく民主党内や連立を組む国民新党からも野田佳彦首相の責任を問う声が出ており、自民・公明両党は来年中の解散・総選挙を意識し始めている。ただ、仮に野田政権が退陣しても、新たな変革を求める金融市場の既成政党への期待感は高くない。
<歳出カットなき消費増税で、市場の不信が増幅>
2009年8月、民主党本部。国内メディアの調査などで政権奪取が確実視されていた民主党は、総選挙直前に金融市場関係者を対象にマニフェストの説明会を開いた。日銀出身の大塚耕平参院議員は、自民党政権との違いについて聞かれ、マーケットに理解があることだと答えた。同8月30日の総選挙に圧勝した民主党は政権与党となり、「マーケットは自民・公明連立政権よりも変化を求めていたので民主党に期待した」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)が、それから2年あまりで市場の信頼は大きく揺らいでいる。
民主党の税制調査会は29日深夜、社会保障と税の一体改革に伴う消費税率の引き上げについて、「2014年4月に8%、2015年10月に10%とする」ことで決着した。野村総研・金融ITイノベーション研究部主席研究員の井上哲也氏は「消費税引き上げは誰かが手をつけなければならない問題だ。タイミングや手段などは別として、足元の財政状況を放っておくわけにはいかない」と指摘する。
しかし、その一方で民主党は凍結していた大型公共事業の着工にも相次いで踏み切る。2012年度予算には八ツ場ダム(群馬県)の本体工事費用を計上したほか、整備新幹線の未着工3区間も着工を認め、公共事業費は復興特別会計分を合わせて拡大。東京海上アセットマネジメント投信シニアファンドマネージャーの久保健一氏は、こうした財政政策が「あまりにも前近代的だ」と話す。歳出カットに切り込むことなく消費税引き上げに舵を切った政府・民主党への批判が市場から噴出している。
東京海上AMの久保氏はリーマン・ショック以降、各国とも財政政策と金融政策を両輪として金融危機や財政危機を乗り切ろうとしているが、日本の民主党政権はその両輪がかみ合っていないと批判する。そのうえで「(財政再建を訴える)自民党の方がマーケットに精通しているではないか」と話す。
今年3月の東日本大震災では東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の福島第1原子力発電所で事故が発生し、補償のあり方をめぐる議論の過程で東電株は震災前の10分の1以下に下落した。27日にも枝野幸男経済産業相が東電の西沢俊夫社長らを呼び、来年3月に東電が策定する「総合特別事業計画」に関連して、「一時的な公的管理を含め、あらゆる可能性を排除せず検討してほしい」と指示。大幅な希薄化など既存株主の権利き損の可能性があらためて嫌気された。 続く...









