ユーロ圏の決済不均衡問題、ECBの関心低さに批判の声
[フランクフルト 10日 ロイター] ユーロ圏の中央銀行間の決済システムにおける資金移転の不均衡増大を新たな危機の萌芽ととらえる批判派の矛先が、この問題に対するドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の関心の低さに向けられている。
この問題は昨年、ドイツの有力シンクタンク、IFO経済研究所のハンスウェルナー・ジン理事長が、ドイツのようなユーロ圏の中核国は、「ターゲット2」と呼ばれるユーロ圏のクロスボーダーの決済システムを通じてギリシャやポルトガル、アイルランドなどによる赤字垂れ流しの穴を埋めていると主張し、議論の口火を切った。
基本的に、経済の弱い周辺国で債務が積み上がると、債務・債権関係上で強い国が悪影響を受けやすくなる。ユーロ圏が分裂したりすれば、強い国は特に危険にさらされる。ユーロ圏の分裂を予想する向きは少数だが、批判派は、分裂がなくても不均衡の増大が脅威になっていると主張する。
しかしドラギ総裁は9日の記者会見で、そのような力関係がドイツの信用格付けを損なうのではないかとの質問に、正常かつ通貨同盟に固有な現象だと答え、そうした考えを退けた。
総裁は「ユーロ圏の一部で資金調達環境が圧力がかかった場合、圧力にさらされていない国々の圧力にさらされている国々に対する(ターゲット2の)債権が積み上がる。だがこれは、いわゆる債権国にとってのリスク増大を意味していない」と指摘した。
クロスボーダーの融資が枯渇して民間セクターが資本を引き揚げ、中核国の銀行が資金の出し手とならないため、資金調達面でECBに対する銀行の依存が強まる中、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、アイルランドの中銀にはターゲット2という中銀間の賃借関係を通じた債務が大きく積み上がっている。
一方、ドイツには流出量を上回る資金が流入するため、ドイツ連銀にはターゲット2の債権が蓄積している。
ユーロ圏の中銀は、ターゲット2を通じて資金移転の仲介役として機能するECBに対し、債権と債務を保有している。 続く...









