〔金利ウォッチャー〕長期金利が大幅低下、国内勢需要に加えオプション取引解消も
23日の国債市場で長期金利の指標となる10年最長期国債利回りが1.405%となり、5月18日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。リスク資産買い戻しの流れが弱まり、国債市場に余剰資金が還流がする中、国内の投資家による買いが目立っているという。さらに4―6月期決算をにらんでオプション関連の取引を解消する動きも、金利低下に作用しているとの指摘も出ている。
新発10年債利回りが前日比5ベーシスポイント低い1.405%に低下した。世界銀行が2009年の世界経済の成長見通しを引き下げたことをきっかけに、これまで構築したポジションが巻き戻されたためだ。
過剰流動性を背景に商品市場が上昇。株価も急ピッチで戻りを演じていたが、足元では上昇の足取りが鈍い。専門家は「リスク資産買い戻しの流れはピークアウトした公算が大きい」(ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏)と口をそろえる。
一方、年金基金や銀行などの国内投資家からの「現物買い」が、金利水準を押し下げているとの指摘もある。
日本証券業協会が22日発表した5月の公社債投資家別売買状況では、短期証券を除いた公社債売買高で都銀が3カ月ぶりに買い越しに転じた。地方銀行や信託銀行、農林系金融機関の買い越しも続いており、参加者からは「国内投資家の押し目買い意欲が、おう盛なことを浮き彫りにした」(外資系証券)との声が聞かれる。
財務省が作成した「既発国債の月別満期到来額の見通し」によると、今年6月に償還を迎える国債(財政投融資特別会計国債を含む)は19.7兆円に上り、目先の需給環境は悪くない。
実際、23日の取引では年金勢の買いが観測されたと関係者は指摘する。
「第2・四半期に持ち越せないコールオプションの売りや、シンセティックショートの手仕舞いが影響しているのではないか」──。外資系金融機関の債券ディーラーが指摘するのは、こうしたオプション取引に関連した副次的効果だ。
シンセティックショートは、オプションのコールとプットを巧みに組み合わせた債券現物オプションの類似的な商品とされる。市場には「両建てになる仕組みで決算期をまたげず、こうした取引の解消が金利押し下げに作用している可能性がある」(前出の外資系金融機関)との見方もあった。
(東京 23日 ロイター)
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者;編集 田巻 一彦)
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