インタビュー:リスク選好度異なる投資家開拓目指す=貝塚・財務省理財局課長
[東京 1日 ロイター] 政府は追加経済対策を裏付ける2009年度補正予算案を決め、国会に提出した。新規国債と財投債の発行額は16.9兆円に上り、カレンダーベース市中発行額は130.2兆円と過去最大の水準に達する。「市中消化130兆円時代の国債管理政策」について、財務省理財局の貝塚正彰・国債企画課長に聞いた。
――補正予算編成に伴いカレンダーベースの市中発行額が130兆円に上り、過去最大規模に膨らむ見通しとなった。
「年度の初期段階ということもあり、16.9兆円を市中発行でファイナンスすることになった。09年度の平均償還年限は7年6カ月になる見通しだ」
――増発論議の過程で3年物など新年限発行の意見も出たようだ。
「4月17日に開催した国債市場特別参加者会合や20日の国債投資家懇談会で、年限ごとにどういう配分をするか議論するなかで3年物や7年物の話が持ち上がった。米国の動きも念頭にあってのことだろう。ただ、両会合では、あまり拙速に議論を進めるのは望ましくないとの認識で一致していた」
「7年物については先物の受け渡しに絡んで不規則な動きがあった場合、相場全体に影響が及びかねず、どちらかと言えば消極的な意見が多かった。3年物は意見が割れていた。将来的な可能性としての議論を打ち消すつもりはない。新規のゾーンや新商品に関しては常に可能性としてはオープンに考えるべきであり、議論自体はある程度継続してもいいのではないか」
――国債管理政策を遂行するうえで今後の課題は何か。
「マーケットとの緊密な意見交換もさることながら、投資家層の多様化はテーマのひとつだ。リスク・アペタイト(選好度)が均一化するとマーケットにストレスがかかった場合、相場が一方向に流れかねない。リスク選好度の違う投資家を国債市場に取り込むことは、安定的な国債発行にもつながる」
「投資家層の多様化をはかるうえでは、それに応じた商品の多様化も必要になってくる。超長期ゾーンを育成する過程で30年物だったり40年物の流動性をどのように高めるかも課題になり得る。過度な負担をかけるリスクもにらみつつ、中長期的には、30年物や40年物の発行頻度やロットの引き上げも選択肢になり得る」
――平均償還年限に関する基本的な考え方はどうか。
「平均償還年限を延ばすことは、借り換えリスクの軽減につながる。これまでも延ばすように努力しており、当面はそれが基本的な考え方になる」
――年度下期に予定される15年変動利付債や10年物価連動国債の入札は可能か。
「市況によっては発行を取り止めるスタンスに変わりはない。現在は、15年変動債と10年物価連動国債それぞれ3000億円の入札を計画している」
――物価連動債の市況がなかなか改善しない。
「核となる国内投資家が存在しない中で物価連動債という市場が動き始めたことに立ち返り、どのように国内投資家を誘引するかが優先順位の高い課題だ。その方法論として、フロア(元本保証)を付与することが有効な手立てかどうかなどを含めた、商品性の見直し論議がある。市場の正常化に向け、努力していかなければならない」
「既発債の買い入れ消却については年間4兆円の枠のなかで、4―6月の物価連動債の買入額を月間2200億円に増やした。7―9月分をどうするかについては6月に話し合うことになる」
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者、北野 将之記者)
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