米景気悪化懸念で底堅い、長期金利1.3%台での低下余地見極め=来週の円債市場
[東京 29日 ロイター] 来週の円債市場で、10年最長期国債利回り(長期金利)は1.4%付近を中心に低下圧力がかかりやすいと予想されている。米国の景気減速懸念から円高、株安、債券高の流れが強まるなか、米指標の結果と米金利の動向、株価次第では長期金利は1.3%台へとさらなる低下余地を模索する可能性がある。ただ、今週の金利低下局面ですでに米指標の悪化などを先回り的に織り込み済みとの見方も多い。長期金利が1.3%半ばを割り込んで定着するには、外部環境の一段の悪化など新規の材料が必要となりそうだ。
国債先物3月限の予想レンジは137.50円─139.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.450%─1.310%。
<長期金利1.3%半ばに定着するには新規材料が必要>
米国の経済指標が景気の失速を鮮明にし、さらにバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)の発言もあって今週末にかけては外為市場では104円台まで下落しドル安/円高が進行、日経平均株価は1万3000円台半ばまで反落し、円債は先物、長期金利ともに1月末以来の水準に戻った。
28日発表の新規失業保険申請件数が予想外の増加を見せたことで「2月米雇用統計の弱い結果を早くも織り込み始めた」(国内証券)との指摘もある。ある外資系証券の債券担当者は「米国の景気悪化を先回りして予想し、円高、株安の流れのなかで水準感を考えずに金利が低下しただけに、いったん冷静になってみればここからの金利低下にはさらなる材料が必要となるだろう」と話している。米国の経済指標などが予想の範囲内の結果にとどまれば、金利の低下も限定的だという。
また、4日には10年利付国債の入札が行われる予定で、現状の市場動向からすると、表面利率(クーポン)は2月債から0.1%引き下げられ1.4%となる可能性が高い。クーポンの低下は入札の不安材料となるため、10年債の入札が相場の上値抑制要因となりそうだ。もっとも、入札自体は良好な需給を支えに無難な内容が見込まれる。
日興シティグループ証券のチーフストラテジスト、佐野 一彦氏は「長期金利・1.30%前半を追いかけて買うまでの参加者には現状、乏しい」として、10年債利回りは1.345─1.435%での推移を予想している。
<リスクは米景気、悪化懸念強まれば金利に低下圧力>
金融市場は引き続き米景気の悪化度合いを見極める姿勢で、米国では来週3日に2月ISM製造業景気指数、5日に2月ISM非製造業景気指数、7日に2月雇用統計など、前月に米景気の悪化を印象付けただけに注目度の高い指標発表が相次ぐ。また、4日のバーナンキ米FRB議長の講演など、FRBメンバーの発言の場も多い。
米景気の悪化懸念が強まるようであれば、一段のドル安/円高と株式市場の失速が見込まれ、債券市場にとっては上昇方向の材料。長期金利はレンジの下限とみられていた1.4%を割り込み、29日には一時1.355%まで低下している。外部環境次第で金利に低下圧力がかかるようであれば「長期金利は1.3%前半まで低下する可能性は十分にある」(都銀)という。
(ロイター日本語ニュース 田中 志保記者)
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