長期金利は1.7%台で推移、米金利動向や国債需給で値ブレも=今週の円債市場
[東京 26日 ロイター] 今週の円債市場は、長期金利の指標となる10年最長期国債利回りが1.7%台を中心に推移するとみられる。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や金融政策見通しより、米金利動向や国債需給の思惑に振らされやすい。国内投資家のリスク許容度が低下するなか、投資手控えムードの強まりで長期金利が1.8%に迫る場面もありそうだ。
国債先物6月限の予想レンジは133.50円─135.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.800%─1.650%。
長期金利は23日、一時2007年8月以来9カ月ぶりとなる1.755%に上昇した。原油先物相場が高止まりするなか、インフレ懸念を手掛かりに米長期金利が上昇傾向をたどり、円金利にも上昇圧力がかかったことが主因だ。
今週も、米金利や株価動向などの外部環境に連動する公算が大きい。大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は「米金利がさらに上昇するようなら、ボラティリティを伴いながら国債相場の下値を探ることになる」と話す。
みずほ証券・シニアマーケットアナリストの落合昂二氏は「商品高は、需要に対して供給が追いつかない構造的な問題が大きい。一次産品で起きたディマンド・プル型のインフレはそう簡単に沈静化しにくい」と指摘。「米国債相場の動向次第では、10年最長期国債利回りが1.8%に上昇する可能性がある」との見通しを示した。
一時的なインフレリスクプレミアムが生じたとしても、原油価格上昇の割に日米ともに期待インフレ率が安定していることを理由に、日興シティグループ証券・チーフストラテジストの佐野一彦氏は、今週1週間の長期金利の推移を1.75―1.65%と読む。
同氏は「米金利動向や相場急落を促すような仕掛けが入れば、長期金利が1.8%に上昇する可能性は否定しない。ただ、ファンダメンタルズからは逸脱した動き」とも話した。
1)日銀が22日実施した中長期債を対象にした国債買い切りオペの結果が1997年5月以来11年ぶりの高水準だった、2)年金基金の一角が債券投資に慎重になるとの思惑が広がった――などの見方から、国債需給に懐疑的な声もくすぶり始めている。
クレディスイス証券・債券調査部長の河野研郎氏は「原油先物相場の高止まりでインフレ懸念が取り沙汰されるなか、4月の相場下落で投資家のリスク許容度が低下した影響が大きいが、中長期国債買い切りオペが機能しなくなっていることも、とくに長い年限には心理的な影響がありそうだ」と指摘した。
国内投資家の投資スタンスが慎重になれば、乱高下を繰り返す相場展開になりそうだ。
注目材料は米国債入札。大和証券SMBCの末澤氏は「週内に予定される米2年債、5年債入札で需要が確認され、米金利が低下すれば円金利にも低下圧力がかかる可能性がある」と話した。国内では、27日に20年利付国債(8000億円、2028年3月20日償還)、29日には2年利付国債(1兆7000億円、2010年6月15日償還)の入札が実施される予定。
末澤氏は「20年利付国債は絶対金利が上がっており、負債年限の長い投資家需要で無難になるとみている。金融政策運営の中立スタンスが維持されており、政策変化に敏感な2年債入札でも安定需要が見込まれる」との見通しを示した。
(ロイターニュース 山口 貴也記者)
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