長期金利1.4%挟み、エクステンションで金利差縮小も=今週の円債市場
[東京 25日 ロイター] 今週の円債市場は、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りが1.4%を挟んで推移する見通し。グローバル・デフレへの懸念がくすぶるなか、月末特有の「エクステンション買い」も予想され、長短金利差は縮小に向かう公算が大きい。財務省は27日正午締め切りで2年利付国債(1兆8000億円、2010年12月15日償還)の入札を実施する。入札前後の調整により、利回り曲線のフラット化に拍車がかかる場面もありそうだ。
国債先物12月限の予想レンジは139.00円─140.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.450%─1.350%。
21日の円債市場は、前日に米10年債利回りが一時3%を割り込み、1958年以来50年ぶりの低水準に達した影響で、10年最長期国債利回りにも先安観が広がった。
UBS証券・チーフストラテジストの道家映二氏は「市場のテーマが金融危機と景気後退に移り、グローバル・デフレさえ懸念され始めた。資産価格や金融市場、実体経済の負の相乗作用は簡単には断ち切れず、長期金利は年末に1.3%、年度末には1.1%に低下しそう」と指摘する。
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「メルトダウンのような株価急落局面が再開している感もあり、長期金利は年末に向けて1.1―1.2%台、今後の情勢次第で1%ラインを試す可能性が出てきた」と話す。
衆院解散・総選挙をにらみ、財政健全化路線は頓挫しており、中期的には財政リスクプレミアムの拡大が長期金利を押し上げかねない。
ただ、財政リスクを除けば金利低下に作用しそうな手掛かりが目白押しだ。ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、経済産業省が28日発表する10月の鉱工業生産指数(2005年=100.0)速報の予測中央値は、前月比マイナス2.5%。
一方、総務省が28日発表する10月全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)は前年比1.9%上昇(9月2.3%上昇)となり、ことし6月以来4カ月ぶりに2%を下回る見通し。
RBS証券・シニアストラテジストの市川達夫氏は「週内に発表される経済指標は、10―12月期のマイナス成長見通しを裏付ける内容になりそう。月末特有の年限長期化需要も見込まれ、国債相場は底堅さを増しそうだ」とみる。
UBS証券の道家氏は「本格的な国債増発は、来年度に入ってからと予想しており、目先は国債に余剰資金を振り向け、安定的に利息収入を稼ぎつつ買い回転で売買益も積み上げるべき」とも指摘した。
金融政策に敏感な中短期ゾーンは金利低下ピッチが鈍り、むしろ上昇に転じる場面もあった。日銀が20、21日に開催した金融政策決定会合では、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.3%前後に据え置くことを全員一致で決めており、参加者からは「追加的な利下げを織り込むには時期尚早」(外資系証券)との声が聞かれる。
市場には「買いの矛(ほこ)先が長期債にシフトする過程で、これまでのスティープニングトレンドが反転する可能性がある」(国内証券)との見方もあった。
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者)
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