長期金利1.2%台で推移、量的緩和再導入の観測も=今週の円債市場
[東京 22日 ロイター] 今週の円債市場は、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りが1.2%台で推移する見通し。グローバル・デフレへの懸念が浸透するなか、量的緩和策再導入の観測が浮上している。年内分の利付国債入札を終えており、需給不安が小さいことも下支えしそうだ。年末接近で主要参加者の取引が細り、相場が不安定化する可能性もある。
国債先物3月限の予想レンジは139.00円─140.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.300%─1.200%。
19日の円債市場は、日銀が政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.2%ポイント引き下げ、0.1%前後にしたことをきっかけに騰勢を強めた。長期金利は一時、3年5カ月ぶりに1.210%に低下。金融政策に敏感な2年債利回りは、節目の0.4%を割り込む場面があった。
週内も基本的にしっかりで推移するとみられる。日銀が導入した追加策は、「金利」と「量」の両面による市場期待に沿った満額回答との見方が広がっており、目先のドル安/円高進行のリスクを低減させたとみられている。
しかし、今回の追加策を受けても「世界的なデフレ懸念の強まりで主要国がさらなる金融緩和に踏み切る可能性が高く、量的緩和再導入の可能性もある」(国内金融機関)との指摘が残る現状は、日銀が追加の緩和政策に迫られる、との読みが少なくないことを浮き彫りにしている。
需給面での不安も小さい。みずほインベスターズ証券・シニアマーケットエコノミストの落合昂二氏は「年末が迫るなかで外国人投資家の売りが減り、利付国債の入札を終えたことで需給が改善しやすいタイミング」と話す。
日銀が19日、国債買い入れ増額を決めたことで「新たに対象となった10年物価連動国債や15年変動利付国債、30年利付国債の需給改善も予想される」(みずほインベスターズ証券の落合氏)ことも追い風だ。
一本調子の金利低下には懐疑的な見方もある。RBS証券・シニアストラテジストの市川達夫氏は「新年入り後に10年利付国債の入札を控える中、短期的には利益確定売りや戻り売りが出やすいため、長期金利が一気に下がり、1.1%台に定着するとは見通しづらい」と話す。
市場には「薄商いのなかで業者もポジションを持ちづらいため、流動性がさらになくなり、金利低下に伴い益出ししようにも、相場が支えてくれない可能性がある」(外資系証券)との見方もあった。
週内に発表される経済指標への反応は限られそうだ。ロイターが実施した民間調査機関への聞き取り調査では、26日の11月鉱工業生産指数(2005年=100.0)速報の予測中央値が前月比マイナス6.8%となった。2カ月連続の低下となり、下落幅としては2001年1月の同マイナス4.3%を上回る過去最大の低下となりそう。
一方、11月の完全失業率(季節調整値)の予測中央値は4.0%で、10月の3.7%から再び悪化する見込みだが、参加者からは「相当悪い数字が織り込まれており、手掛かり材料視されるには至らない」(邦銀)との声が聞かれた。
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者)
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