長期金利は1.3%台で推移、質への逃避後退で金利に上昇圧力も=今週の円債市場
[東京 16日 ロイター] 今週の円債市場は、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りが1.3%台で推移する見通し。株式相場の下値不安が薄らぐことが想定されるため、質への逃避が後退することで円債の金利に上昇圧力がかかる可能性が高い。20年利付国債(9000億円、2029年3月20日償還)の入札は、年金勢の需要が強く無難に消化されるとの予想が多い。17─18日開かれる日銀金融政策決定会合では、基本的に追加の緩和策は出ず、これまで行われてきた政策の検証にとどまるとの見方が大勢となっている。
国債先物3月限の予想レンジは138.00円─139.20円。
10年物最長期国債利回り(長期金利)の予想レンジは1.350%─1.270%。
<長期金利のレンジ、上方修正の可能性>
13日の米国株式市場でダウは前日比53.92ドル高の7223.98ドルで取引を終え、4カ月ぶりとなる4日続伸となり、週間の上昇幅は597ドルに達した。米大手銀行トップから収益回復を示唆する発言が相次いでいるほか、新たな空売り規制の導入議論、時価会計の見直しの声が浮上していることが材料視されている。米株について、ある国内証券のシニアマーケットエコノミストは「株をはじめマーケットは、これまで悲観的な見方を織り込み過ぎで金融セクターからのネガティブな材料が必要以上に意識されてきた。今週は金融セクターと実体経済がある程度べつべつに動くケースも念頭に置く必要がある」と話した。米株高から日経平均株価も7500円台を回復したことで、円債市場では「今週の株式相場の下値不安はかなり薄らぐことが想定されるため、円債の金利は予想以上に上昇する」(外資系証券)との見方が出ていた。円債市場について、新光証券・チーフ債券ストラテジストの三浦哲也氏は「長期金利は昨年末以降、1.15%から1.35%のレンジだったが、今週はレンジを上方修正する可能性が出てきた」と述べた。
<20年債入札、年金勢の需要強く無難な消化予想>
20年利付国債の入札が17日に実施される。入札について、RBS証券・シニアストラテジストの市川達夫氏は「1.9%クーポンになると思うが、無難な消化が見込まれている。日銀の買い切りオペの結果、売買動向からみても超長期ゾーンの需給環境は引き続き良い」と話した。超長期ゾーンについて、複数の円債関係者は、金利が上昇したときに、生保を中心とした年金勢の押し目買い意欲が強いので、大きく崩れる懸念はないとみている。市場では「年金勢の長期化需要は引き続き強く、20年債に対する潜在的なニーズは強い」(別の国内証券)との声が聞かれた。
<日銀政策決定会合、追加緩和策は出ないとの見方大勢>
日銀金融政策決定会合について、円債市場では、基本的には追加の緩和策は出ず、これまで次々と打ち出してきた政策の検証にとどまるとの見方が多い。市場では「追加の緩和策があるのか、ないのかがポイントだが、ピンポイントで予想できる緩和策はあまりない。新たな政策には関しては、非常に予想しにくい」(別の外資系証券)との見方が出ていた。追加緩和策について、みずほインベスターズ証券・シニアマーケットエコノミストの落合昂二氏は「あるとすれば、国債の買い切りオペの増額が候補に挙げられる」と述べた。
<FOMC、国債買い切り導入見送りか>
米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。前週は再びFRBが理事会で長期国債の買い入れを決めるとの観測が浮上した。米国は景気刺激・金融安定化に大規模な国債増発は避けられず、需給の悪化から長期金利の上昇に対する警戒が強まった。市場では「イングランド銀行が国債買い取りに踏み切り、英国の長期金利が急低下した。これを受けてFRBも国債買い入れに動く可能性が高まったとの観測が浮上した」(国内金融機関)との指摘があった。ただ、円債市場の関係者は、国債買い切り導入への期待は残るが、FRBは「信用緩和」に軸足を移しているとの見方から、導入は見送られるとの見方が多い。市場では「米債が国債の大量発行にもかかわらず、しっかりしているところから判断して、政策面は現状維持を想定している」(国内大手証券)との声が聞かれた。
(ロイター日本語ニュース 伊藤 武文記者)
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