長期金利1.3%台で推移、余剰資金流入で需給引き締まり=来週の円債市場
[東京 3日 ロイター] 来週の円債市場は、長期金利の指標となる10年最長期国債利回りが1.3%台で推移する見通し。第2・四半期入り以降、銀行など国内投資家の余剰資金の流入で債券需給が引き締まりやすい状況が続いている。週内に予定される国債供給は、7日の40年物だけにとどまり、かく乱要因に乏しい。長期金利は一時的に1.3%を割り込む可能性もある。
国債先物9月限の予想レンジは138.00円─139.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.400%─1.300%。
<長期金利一時1.3%割れの可能性も>
今週は、政府が追加経済対策に踏み切ったことで増額発行となった2日の10年利付国債入札で、これまでタブー視されてきた「発行額2兆円超え」の悪影響もみられず、次第に債券需給が引き締まった。新発2年債利回りが日銀補完貸し付けの適用金利(0.3%)を大幅に下回り、一時2006年1月25日以来、約3年半ぶりの水準に低下。新発10年債利回りは1.320%となり、3月30日以来の低水準を付けた。
来週も、こうした需給環境が続くかどうかが相場動向を左右しそう。BNPパリバ証券・チーフストラテジストの島本幸治氏は「追加経済対策に伴う7月以降の国債増発は前押しして織り込んでおり、目先は滞留していた投資家の資金流入が債券需給を引き締めそう」と指摘する。
日興シティグループ証券・チーフストラテジストの佐野一彦氏は「好需給が続けば長期金利が一時的に節目の1.3%を割り込む可能性もある」と話す。
金融危機回避を狙って日銀が放出した一部資金が民間金融機関にとどまり、余剰資金を抱える銀行が余資運用に迫られる状況が続いている。日銀が1日発表した6月全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業・業況判断指数(DI)がマイナス48となり、前回の3月短観から10ポイント改善、先行きはさらに18ポイントの改善が見込まれ、業況感の改善が続く見通しとなった。ただ、設備投資計画は大企業全産業で前年度比9.4%減と6月短観としては過去最大の減少率となっており、企業の資金需要は高まりそうにない。
市場には「銀行などの投資家がバイ・アンド・ホールドでの投資行動を強めれば、中短期ゾーンはより一層しっかりしそう」(クレディスイス証券・債券ストラテジストの福永顕人氏)との見方もあった。
<総額730億ドルの米国債入札に注視>
財務省は7日正午締め切りで40年利付国債(7月債)の入札を実施する。発行額は3000億円に増えるが、5月債との銘柄統合発行となり、波乱を予想する声は少ない。大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は「歳入欠陥や追加経済対策に伴う新規国債の再増発で30年物や40年物が増額対象になることが有力視されるが、現段階ではしっかりした需要が確認できそう」と指摘する。
米国で週内に予定される総額730億ドル規模の国債入札には注視が必要だ。米財務省は6日に10年物インフレ指数連動債(TIPS、80億ドル)、7日に3年債350億ドル、8日に10年債(リオープン、190億ドル)、9日に30年債(リオープン、110億ドル)の入札をそれぞれ実施する。「結果によっては円債相場の上値を抑える要因になる」(大和証券SMBCの末澤氏)との声もある。
イタリア中部ラクイラで8─10日にかけて開催される主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)に関しては「景気持ち直しの状況を追認する程度にとどまり、手掛かり材料視されることはなさそう」(ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏)とみられている。
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者)
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