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コラム:トランプ氏との「一方通行」会合を続けるべき理由
2017年6月21日 / 03:05 / 3ヶ月前

コラム:トランプ氏との「一方通行」会合を続けるべき理由

 6月20日、トランプ米大統領と企業CEOらとの会合「大統領戦略・政策フォーラム」は、CEOらが政策に影響を及ぼすというよりは、大統領の話をひたすら傾聴する場という色彩を濃くしている。ホワイトハウスで19日に開かれた同会合に出席するトランプ氏(中央)、アップルのティム・クックCEO(左)とマイクロソフトのサティア・ナデラCEO(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

トランプ米大統領と企業の最高経営責任者(CEO)らとの会合「大統領戦略・政策フォーラム」は、CEOらが政策に影響を及ぼすというよりは、大統領の話をひたすら傾聴する場という色彩を濃くしている。企業側は対中政策にはある程度の影響を及ぼすことができたが、移民政策ではできておらず、環境政策については馬耳東風だった。それでもなお、フォーラムは役に立つ面がある。

歴代の米政権も企業CEOから助言を得てきたのは同じだが、トランプ氏のやり方は独特だ。毎回カメラの前で発言し、CEOらと嬉しそうに会話を交わす。19日のIT業界経営陣との会合では、自身が大統領選に勝利して以来、株式時価総額が大きく膨らんだとはしゃいだ。

規制改革など、意見が一致する分野では、両者の歩調はしっくり合っている。エネルギー業界と金融業界はトランプ氏の規制見直しに拍手を送った。財界は税制改革も支持している。

しかし意見が一致しない問題については、トランプ氏がわが道を行く。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が好例だ。IBM(IBM.N)のジニー・ロメッティCEOらの熱烈な懇願にもかかわらず、トランプ氏は今月、協定離脱を発表。CEOの多くはこの決定を批判したが、大半はそれでもフォーラムに留まっている。

移民問題では、アップル(AAPL.O)のティム・クックCEOが19日、高い技術を持つ外国人労働者への査証(ビザ)発給を訴えた。大統領は包括的な移民制度改革を支持すると述べたが、4月にはCEOらに対し、極めて慎重に事に臨むと告げている。幼少の頃、両親に連れられて不法入国した「ドリーマー」の長期的な扱いについては依然、見直しが進められており、CEOらの影響力を測るもう1つの試金石となるだろう。

CEOらは中国など、幾つかの問題では政権の姿勢を和らげることに成功した。政権はまだ中国への高関税を実施していないし、中国の「為替操作国」認定も見送った。

政権の考え方を把握することができるという点で、フォーラムはまだ実施する価値がある。税制改革やインフラ投資その他の問題について政府の見方が分かれば、企業のCEOも企業の顧客も準備ができる。一方通行の会合だが、それでも続けることの大きな意義はそこにある。

●背景となるニュース

*トランプ大統領は19日、IT業界のCEOらと会合を開いた。アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)のジェフ・ベゾス氏、アップルのティム・クック氏、マイクロソフトのサトヤ・ナデラ氏らのCEOが出席。何人かのCEOは、技術の高い移民をもっと受け入れる必要があると訴えた。大統領は先に、ビザの悪用を抑制し、米国民の雇用を害していないか見定める必要があるとし、外国人就労者のビザ運用を見直す大統領令に署名している。

*フェイスブック(FB.O)のマーク・ザッカーバーグCEOは会合に招待されたが、日程が合わないとして出席しなかった。テスラ(TSLA.O)のイーロン・マスクCEOは、トランプ氏が米国のパリ協定離脱を発表した後、カウンシルの委員を辞任した。ウォルト・ディズニー(DIS.N) のボブ・アイガーCEOもパリ協定離脱発表を受け、委員を辞任している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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