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アングル:進まないトランプ氏の不法移民対策 
2017年6月7日 / 05:16 / 4ヶ月前

アングル:進まないトランプ氏の不法移民対策 

 6月6日、トランプ米大統領は選挙期間中、正式な書類を持たない移民を捕えても審理までは釈放する「キャッチ・アンド・リリース」の廃止を公約に掲げた。だが国境警備員の対応は変わっていない。米テキサス州ロームのリオグランデ川を警備する国境警備員(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[マッカレン(米テキサス州) 6日 ロイター] - トランプ米大統領は選挙期間中、正式な書類を持たない移民を捕えても審理までは釈放する「キャッチ・アンド・リリース」の廃止を公約に掲げた。メキシコとの国境ではこれを警戒して国境突破を試みる人が減る効果は出ているが、実は国境警備員の対応は変わっていない。

5月の午後、テキサス州ロームの崖に立ち、米国とメキシコを隔てるリオグランデ川を見下ろす国境警備員2人の目には、人けのない光景が広がっていた。オバマ政権下の昨秋には毎日、移民数百人がいかだに乗って川を渡ろうとしていたが、今では景色が様変わりした。

警備員の1人、マーレーン・カストロ氏は「彼らは捕まえられ、すぐに本国に引き戻される」と分かっているので、無駄な努力を止めたと説明する。カストロ氏は「上司」であるケリー国土安全保障長官の発言をそっくり真似、「われわれは危険なキャッチ・アンド・リリースの執行政策をやめた」と説明した。

ところが、移民関連の法律家や政府統計、さらには国土安全保障省傘下の移民関税執行局(ICE)の一部幹部によると、この政策に明確な変化は見られない。

この原因はベッド数の不足と、女性と子供の拘束期間を最長21日までと定めた裁判所判決にある。別の判決では、本国から送還が拒否されている移民についても拘束期間が制限されている。

またケリー長官は2月の覚書で、本国に帰れば危険であることを証明できた亡命希望者は、安全保障上のリスクや逃亡リスクがない限り、釈放の候補になり得ると指摘している。

テキサス州南部地域のICE幹部、ダニエル・バイブル氏はロイターに対し、新たな指示を受けていないため、安全保障上のリスクが低いとみなされる不法移民の釈放を続けていると打ち明けた。

国土安全保障省の報道官は、国境で拘束した移民の釈放について新たな指針を出していないことを確認した。

<釈放ペース鈍化の真相>

ICEは、釈放した移民数のデータ提供を拒否したが、ロイターが確認した他のICEのデータによると、拘束されずに米国内で自由に暮らし、審理を待っている人の数は増えている。

トランプ大統領が就任した1月末以来、こうした数は約3万人増加した。月に約7500人のペースだ。

オバマ政権最後の7カ月間では月に約2万0600人と、もっと急速に増えていた。

ペースが落ちたのは、国境突破を試みて拘束される人の数自体が58%減ったことが原因だろう。ただ、「キャッチ・アンド・リリースの廃止にはほど遠いことも、これらの数字から読み取れる。

議会は拘束した不法移民用のベッド増設に予算をつけたほか、司法省は移民を審理する判事の数を増やすための予算を要求した。

ただ当面は、移民希望者が入国を思いとどまってくれるのを期待したい、との声が国境警備員から聞かれた。

(Julia Edwards Ainsley記者)

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