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アングル:米入国制限の新大統領令、再び阻止されるか
2017年3月7日 / 23:43 / 6ヶ月前

アングル:米入国制限の新大統領令、再び阻止されるか

[ニューヨーク/サンフランシスコ 6日 ロイター] - トランプ米大統領が6日署名した入国制限に関する新たな大統領令は、より綿密な状況に応じた内容となっており、法廷で阻止することが難しくなったと法律専門家は指摘する。

専門家によると、新大統領令では合法的な居住者や査証(ビザ)保有者は含まれておらず、ビジネスや外交などが目的の一部渡航者の入国も可能となる。そのため、米国内で損害を受けていると法的に主張することが可能であり、原告として「適格」な人を見つけることが、より困難になったという。

1月27日に署名された最初の大統領令では、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンのイスラム圏7カ国からの入国を90日間禁止するほか、難民の受け入れを4カ月間停止し、シリア難民に限っては永久に禁止するというものだった。

大統領令の性急な実施は各地の空港で混乱と抗議活動を招いた。訴訟は20件以上に上り、その多くがイスラム教徒に対する差別を訴えるものだった。

3月16日に発効する新たな入国制限令はイラクを外し、免除される対象者のカテゴリーを加えている。また、雇用や教育でこれまで米国への入国が認められていた渡航者、親戚を頼って米国にやって来たが、入国が拒否されれば困難に直面する人、乳児や幼い子どもや養子、医療を必要とする人、米政府や国際機関の職員など、適用が免除される人たちのリストが挙げられている。

こうした例外によって、新しい大統領令を「攻撃するのはかなり困難」だと、米首都ワシントンにあるフラゴメン法律事務所の移民弁護士、アンドリュー・グリーンフィールド氏は指摘する。

トランプ大統領は新たな大統領令について、法廷闘争で負けない内容にすると明言していたことから、多くの変更点は予想されたものだった。

「彼ら(トランプ政権)は訴訟で起きることを予想して細心の注意を払っている」と語るのは、移民が専門のコーネル大学ロースクールのスティーブン・イェールレーヤー教授だ。それでも、例えば任意の理由から外国人配偶者への免除適用を米政府が拒否した場合、原告を見つけることができるかもしれないとの見方を示した。

<宿題>

最初の大統領令に対する訴訟では、ワシントン州が実施を阻止することに成功した。

同州シアトルの連邦判事とサンフランシスコの控訴裁は、同大統領令がグリーンカード(永住権)保有者として知られる合法的永住者に悪影響を及ぼすことを理由の1つに挙げ、州が当事者適格を主張できるとの判断を下した。有名なIT企業の多くを含む100社以上が、自社の従業員が損害を被るとして、裁判所に意見書を提出した。

 3月6日、トランプ米大統領が署名した入国制限に関する新たな大統領令は、より綿密な状況に応じた内容となっており、法廷で阻止することが難しくなったと法律専門家は指摘する。写真は新たに米国市民となった男性。ニュージャージー州で1日撮影(2017年 ロイター/Mike Segar)

ワシントン州のファーガソン司法長官は6日、可能性のある損害について州立大学や企業と協議した後、次の訴訟に向けた措置を今週決定すると明らかにした。

「われわれは宿題に取り掛かり、じっくり検討する必要がある」と同長官は語った。

シアトルの連邦裁判所に提出された文書のなかで、米司法省は新大統領令が「外国にいてビザのない人に限って」適用されるとしている。

米国憲法の下では、同国のビザを持たない海外にいる外国籍の人は、すでに同国にいる人と同様の保護は受けられないと、法律専門家は指摘する。

移民削減を訴える保守系団体「ナンバーズUSA」の政府担当責任者のローズマリー・ジェンクス氏は、ワシントン州が米当局からまだ審査を受けていない不特定の外国人を代表して新大統領令に異議を唱えなければならなくなると指摘する。

「それはかなり大変な困難となるだろう」とジェンクス氏は言う。また、最初の大統領令とは異なり、今回の大統領令は入国を制限される特定の国がなぜ選ばれたのかについて詳しく説明している。

一方、米国自由人権協会(ACLU)を含む大統領令に反対する立場の弁護士は、それが国家安全保障上の理由から正当化されるかどうかについては依然として疑問の余地があるだけでなく、修正された新大統領令が宗教に基づく差別という懸念にも取り組んでいないと主張する。

最初の大統領令に対して訴訟を起こした学生たちの代理人を務めるサンフランシスコの弁護士、アダム・ラウリッセン氏は、新たな大統領令もイスラム圏諸国を標的にしていると指摘する。

オバマ政権の米国移民帰化局(USCIS)で主席顧問を務めたスティーブン・レゴムスキー氏は、「イスラム教徒禁止」の移民政策を訴えていたトランプ氏の発言に注目。

「そうした証拠がすでにあり、過去は変えられない」とレゴムスキー氏。とはいえ、避けられそうもない訴訟が最高裁まで持ち込まれ、最終的に勝利する可能性を意味するわけではないと述べ、「たやすいことではない」と同氏は語った。

(Mica Rosenberg記者、Dan Levine記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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