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コラム:米IT大手、トランプ氏がちらつかせる大型予算に色気
2017年8月7日 / 04:43 / 2ヶ月後

コラム:米IT大手、トランプ氏がちらつかせる大型予算に色気

 8月4日、米大手IT企業は、移民問題や地球温暖化など多くの課題でトランプ氏(写真)と対立している。それにもかかわらずトップの多くが大統領から離れようとしないのは、トランプ氏がちらつかせる総額950億ドルのIT近代化予算の分け前に与ろうという思惑があるからだろう。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米大手IT(情報技術)企業は、移民問題や地球温暖化など多くの課題でトランプ氏と対立している。それにもかかわらずトップの多くが大統領から離れようとしないのは、トランプ氏がちらつかせる総額950億ドルのIT近代化予算の分け前に与ろうという思惑があるからだろう。

アマゾン(AMZN.O)、グーグル、アップル(AAPL.O)などが加盟する情報技術工業協議会(ITIC)は2日、トランプ氏が米議会上院の合法的移民規制強化案を支持したことを強く批判。6月にはトランプ氏が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を決めたことに一部のメンバーが反発し、協定の内容を順守する方針を打ち出した。ただ、そのわずか2週間後にホワイトハウスで開かれた政府のIT近代化を話し合う会合にはほとんどのメンバーが出席した。

これはそれなりの「エサ」があるからだ。トランプ氏は来年度予算案でIT関連の支出を前年比16%増の950億ドルに膨らませようとしている。連邦政府のIT近代化戦略を率いるのはトランプ氏の娘婿のクシュナー大統領特別顧問。有力ハイテクニュースサイトの「リコード」によると、クシュナー氏は3日、政府のより有効なハイテク利用について大手IT企業に助力を求めた。

一方、昨秋の米大統領選でトランプ氏に批判的な立場を取って対立候補を支持したヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE.N)のメグ・ホイットマンCEOは、6月の会合にお呼びが掛からなかった。ニュースサイトのフェドスクープとコンサルタント会社データー・コープによると、HPEは昨年の連邦政府との取引からの収入が約72億ドルに上る。

何よりも忠誠心を優先するトランプ氏の性格を考えると、この契約は安泰でないかもしれない。2015年以降に政府機関からのクラウドサービスの受注が倍増したアマゾンも危ういだろう。

トランプ氏は6月のIT大手トップとの会談後、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが事実上、個人所有しているワシントン・ポスト紙について、ネット税を巡りアマゾンを擁護しているとツイートし、アマゾンを攻撃した。

IBM(IBM.N)は連邦政府との取引からの収入が約50億ドルとHPEに次いで大きく、マイクロソフト(MSFT.O)も約10億ドルと10傑に入る。新参組も連邦政府からの受注を徐々に増やしており、アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルは「マイクロソフト・オフィス」に代わる商品として自社のソフトを売り込んでいる。大規模な契約が絡むだけに、IT大手はおいそれとはトランプ氏とたもとを分かつことはできない。

●背景となるニュース

*アマゾンやアップルなどが加盟する情報技術工業協議会(ITIC)は2日、米議会上院の合法移民規制強化案に反対すると発表した。一方でトランプ大統領は法案を称賛した。上院案は、移民審査で教育水準や英語力を考慮する「メリット・ベース」制度を採用し、合法的に入国する移民を今後10年間で半減させるとしている。

*ITICは法案について「米移民制度の改良にとって適切ではない。ハイテク企業が直面する課題に対処しておらず、役所の手続きの機能不全が増えるためで、従業員の資質を見抜く目を持った経営者がいなくなる」と指摘した。

*トランプ氏は2018会計年度予算案ではIT(情報技術)向け予算枠を950億ドルとし、オバマ前政権時代の前年度から16%上積みした。

*トランプ氏は5月、「米国技術評議会」を設立する大統領令を公布。同評議会はトランプ氏の娘婿クシュナー大統領特別顧問がまとめ役を担っている。6月19日にホワイトハウスで開かれた会合にはアップルのティム・クックCEO、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOらが参加。トランプ氏は政府のIT近代化についてアドバイスを求めた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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