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トランプ減税による米成長促進効果、歳入減を補えず=専門家
2017年4月27日 / 03:58 / 5ヶ月前

トランプ減税による米成長促進効果、歳入減を補えず=専門家

 4月26日、米トランプ政権が打ち出した大幅減税は経済成長を加速させることが期待されているが、財政問題の専門家は、歳入減を補うほどの効果は見込めず、債務の増加が成長の重しになる可能性もあると指摘している。写真はマンハッタンで2015年11月撮影(2017年 ロイター/Mike Segar)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米トランプ政権が打ち出した大幅減税は経済成長を加速させることが期待されているが、財政問題の専門家は、歳入減を補うほどの効果は見込めず、債務の増加が成長の重しになる可能性もあると指摘している。

ムニューシン財務長官は26日、トランプ大統領の税制改革案では成長の加速や一部控除の廃止などで減税に伴う歳入減をカバーすることを想定していると説明した。

ただ、米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」(CRFB)を率いるマヤ・マクギニアス氏は、現時点で公表されている内容から判断する限り、今回の税制改革案を実行すれば今後5年で3兆ドル規模の連邦政府債務の上乗せにつながると指摘。

トランプ政権の計画は、減税が経済成長の加速を通して税収増につながる効果を測定する「ダイナミック・スコアリング」に大きく依存した考え方だが、マクギニアス氏は「(3兆ドル規模の債務増を)支払うだけの信頼に足るダイナミック・スコアなどない」と明言。「(減税による)成長効果は実際にあり重要」ではあるものの、国内総生産(GDP)成長率の押し上げ効果は1%ポイントに満たないと予想した。

CRFBの試算によると、トランプ政権の目算が成り立つためには、1960年代後半から1970年代前半にかけて見られたような年率4.5%の安定的な経済成長が必要になる。

ムニューシン長官は、大幅減税により3%超の安定的な経済成長を見込んでいると説明しているが、CRFBは、その程度の成長を実現するためにも生産性の大幅な底上げが必要になるほか、退職するベビーブーム世代が高成長の妨げになると予想している。

米議会予算局(CBO)の局長を務め、現在はハーバード大学ケネディースクールのエルメンドルフ氏は、議会がこの計画が織り込まれた税収減対策を「政治的に受け入れ可能だ」と判断するとは思えない、と指摘する。

同氏は「(この計画は)財政赤字の増加を招いて経済活動の重しとなり、税率引き下げによる景気刺激効果を少なくとも部分的に相殺することになる」と強調。連邦政府の債務負担が増加することで、裁量的経費が「締め出される」ことになり、長期間にわたって経済活動を妨げることになると説明した。

議会共和党は、予算審議の際の規定を使うことで、上院議席の過半に当たる51人の賛成により税制改革法案の上院通過を図りたい考え。この場合、減税期間は10年間となる。しかし、もし10年を超える減税期間を設定しようとすると上院で60議席の賛成が必要になる。

10年で失効する減税といえば、2012年に財政危機を引き起こした、ジョージ・W・ブッシュ政権時に承認されたものが記憶に新しい。

コーウェン・アンド・コーの政治アナリスト、クリス・クルーガー氏は顧客へのノートで「トランプ政権が提案したのは恒久的な税制改革ではなく、10年間の減税であり、かつてない驚異的な『財政の崖』を2028年に生み出すことになる」と指摘している。

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