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アングル:米国のマイナス金利導入はあるか
2016年2月10日 / 04:46 / 2年前

アングル:米国のマイナス金利導入はあるか

 2月9日、欧州や日本の中央銀行がマイナス金利の導入に踏み切ったが、米FRBが追随する可能性について投資家は注目。写真はイエレンFRB議長。2015年12月撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts)

[9日 ロイター] - 欧州や日本の中央銀行がマイナス金利の導入に踏み切ったが、米連邦準備理事会(FRB)が追随する可能性は小さそうだ。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を控えて、投資家はFRBの政策対応に注目している。

世界や米国の景気減速や原油価格の急落で、FRBの利上げペースの予想は既に後退しており、投資家の間では、市場環境の悪化でFRBもマイナス金利の導入を余儀なくされるとの見方もある。

ただ、マイナス金利政策の効果ははっきりしていない。投資家は資産価格の上昇、超低利回り、銀行の融資意欲低下、経済成長の低迷長期化といったこの数年の状況がさらに悪化するのではないかと危惧している。

チャプデーレーン・フォーリン・エクスチェンジのマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は「もし金利がマイナスになり、銀行がFRBから資金を引き揚げて投資しようとしても、一体何に投資するのか」と話す。

日銀は先月末、欧州中央銀行(ECB)、スイス中銀、スウェーデン中銀、デンマーク中銀に続いてマイナス金利の導入を決めた。しかしストラテジストは、FRBがこうした動きに追随する可能性は小さいとみている。FRBは1月28日に銀行に対してマイナス金利導入で発生するストレスについて検討するよう要請したが、こうした動きでマイナス金利導入の可能性が大げさに言われたという。

RBCキャピタル・マーケッツの米金利ストラテジーヘッドのマイク・クロハーティ氏は「マイナス金利をめぐる憶測は行き過ぎだ」と述べる。「米市場は2兆5000億ドルのマネー・マーケット・ファンド(MMF)市場に大きく依存しており、もし金利がマイナスになればMMF業界は非常なストレスにさらされる」と警告した。

アナリストによると、マイナス金利が期待通り米景気の押し上げ効果を発揮するという証拠も乏しい。

マイナス金利はこれまでのところユーロ圏経済に対して「万能薬」にはなっていない。金利は2014年6月からマイナスだが、失業率は10%を超える状態が続き、インフレ率は1%を割り込んでいる。

米国がマイナス金利を導入すればドルが下落し、輸出には好影響があるかもしれない。しかし他の国が自国通貨を押し下げようとして、世界的に金利引き下げの動きが広がる恐れがある。

マイナス金利導入が米国の株価を一時的に押し上げることも考えられる。しかし量的金融緩和の際には、時とともに株価への効果は薄れていった。

また金利の急激な低下は金融業界にとっても打撃となる。日本では日銀のマイナス金利導入決定以来、金融機関の社債の米国債との利回り差が拡大し、2012年以来の水準となった。金融株は決定以来7%下げている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの短期金利ストラテジーヘッドのマーク・カバナ氏はマイナス金利について「銀行の純金利マージンを圧迫し、経営環境はやや厳しくなるだろう」と語った。

(Dion Rabouin記者)

*写真を更新しました。

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