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コラム:FRB議長、トランプ氏に規制緩和反対のメッセージ
2017年2月14日 / 23:54 / 8ヶ月後

コラム:FRB議長、トランプ氏に規制緩和反対のメッセージ

 2月14日、トランプ米大統領は選挙中、イエレンFRB議長(写真)を好ましく思わない態度を露骨に表した。そしてイエレン氏はまさにバレンタインデーの日に、そうしたトランプ氏の感情にきっちりと「返礼」をした。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

[ニューヨーク 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領は選挙中、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長を好ましく思わない態度を露骨に表した。そしてイエレン氏はまさにバレンタインデーの日に、そうしたトランプ氏の感情にきっちりと「返礼」をした。

上院銀行住宅都市委員会における証言で、金融危機後の規制改革について、銀行を強じんにして融資を活発化させたと強く擁護したのだ。トランプ氏は空席のFRB理事を埋めることはできるだろうが、金融規制改革の撤廃となると次のFRB議長の登場まで待つ必要があるかもしれない。

トランプ氏は今月、財務長官に経済成長促進の観点から金融規制を見直すよう記した大統領令に署名した。ゴールドマン・サックス(GS.N)前社長で米国家経済会議(NEC)委員長に就任したゲーリー・コーン氏は最近、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)やその他の規制を政権が緩和する意向だと表明し、銀行融資の足かせになっている点を理由に挙げている。

しかしイエレン氏は、控えめな表現ながらもこうしたコーン氏の見解に反論した。イエレン氏が引用したのは、2010年以降に商工業融資が75%余りも増加し、2兆1000億ドルに達したというデータだ。さらに全米独立企業連盟(NFIB)が最近行った調査で、小規模企業のうち資金調達が最大の問題と回答した割合がわずか2%だったことも指摘した。

イエレン氏は、規制が過度の負担となって米銀が競争力を失っているというコーン氏の主張も否定。逆に資本基盤が強化されたことで、米銀は利益と企業価値が増大し、欧州のライバルから市場シェアを奪取できたという面で「競争上の優位をもたらしている」と説明した。

イエレン氏が資本に重点を置く発言をしたことで、同氏が守ろうとしている部分が浮かび上がってくる。言及されなかった銀行の自己勘定取引を制限したボルカー・ルールなどは対象外ということだろう。

一方、今回の証言ではイエレン氏と共和党議員がお互いの立場をある程度確認することができた。イエレン氏にとっては、政策金利決定においてテーラー・ルールのような厳密な枠組みよりもFRB独自の裁量を持つことが優先事項だ。共和党議員は、中小銀行のために政策金利決定ルールはもっと分かりやすくすべきだと強調した。

FRB理事は現在空席が2つあり、規制担当のタルーロ理事が4月に退任する。ただしイエレン氏の議長任期が終わるのは、フィッシャー副議長とともに来年だ。トランプ氏がFRBを変える本当のチャンスはその時になるだろう。

●背景となるニュース

*イエレン議長は14日、金融危機以降に導入した規制改革措置を強く擁護し、米銀はしっかりと資本が備わり、欧州のライバルから市場シェアを奪って、かつてないほど融資を実行していると指摘した。

*イエレン氏はまた、政策金利決定におけるFRBの裁量的なアプローチの妥当性も主張。共和党議員の一部が提唱する、需給ギャップと結び付けるいわゆるテーラー・ルールのような機械的なやり方に基づくと、望ましい政策金利は現行の0.5─0.75%よりずっと高い3.5─4%になると説明した。

*イエレン氏は、トランプ政権の財政政策が金融政策に及ぼす影響を判断するのはまだ早過ぎるとしながらも、連邦公開市場委員会(FOMC)は今後の会合で利上げする公算が大きいとの考えを示した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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