国連が08年世界経済成長率予測を大幅下方修正、米住宅市場の悪化で

2008年 05月 16日 18:22 JST
 
記事を印刷する |

 [国連 15日 ロイター] 国連は15日、悪化する米国の住宅・金融市場が世界経済を圧迫するとして、2008年の世界経済成長率を1.8%と予測、今年1月調査時の3.4%から大幅に下方修正した。

 国連経済社会局(UNDESA)が、「2008年世界経済の現状と展望」の年央改定で明らかにした。07年の世界成長率は3.8%だった。

 同報告は「米国の住宅・金融セクターは08年第1・四半期に悪化が進み、世界経済を更に圧迫し、影響は09年まで続く」との見方を示した。

 米国では07年に住宅バブルが崩壊、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した混乱が世界の金融市場を揺るがしている。国連は報告の中で、サブプライム問題に加え、ドル安の進展、世界的不均衡の拡大、原油・食料価格の高騰などにより「世界経済は厳しい不況の淵に立っている」と警告した。

 08年の米国の経済成長率についても、1月調査時の2%の伸びから大幅に下方修正し、0.2%のマイナス成長を見込んでいる。

 国連は、報告の中で挙げたすべての数値は、米金融・財政当局の景気対応策の成果次第で変動し得るとしている。しかし、UNDESA開発政策・分析担当のロブ・ロス氏は「我々の基本的な認識では、(米サブプライム)問題はまだ底を打っていない」と述べた。

<アジア・アフリカ減速、ロシア好調>

 報告は、成長が著しい東アジア・南アジア地域の景気減速も予想している。同地域の08年GDP成長率は5.9%と、07年の8.5%から減速する見通し。

 けん引役の中国では、輸出の減少、金融引き締め、人民元高に加え、労働コストの上昇などが圧迫要因となると指摘した。また、ミャンマー経済は5月初めのサイクロン被害で悪化に拍車がかかると警告、世界最貧国のスーダンとエチオピア経済成長率は、07年の6.5%から5.2%に鈍化するとした。

 一方、高騰する原油価格で潤うロシアを含む旧ソビエト諸国、及び東欧諸国では、5年ぶりの高成長となる6.4%を見込んでいる。 

<食料価格は上昇、石油価格は一服>

 食料価格は07年は約25%上昇したが、今年3月の時点で上昇率は57%に達した。世界の食料供給は07年に5%増加したものの、自然災害や、所得上昇による肉の消費拡大などで需要を満たしきれていない。このため国連は、食料価格は年内も上昇し続け、09年も高止まりするとみている。

 一方、世界経済の停滞に伴い原油価格の高騰は一服すると予測し、08年は1バレル=95ドル、09年は1バレル=90ドルあたりで推移するとしている。

 国連は報告の中で、世界的な金融問題に対処するため、引き続き各国間の連携を求めた。特に金融機関の資本増強や、外貨準備のドル以外の通貨へのシフトを呼びかけた。

 また、食料価格の高騰は、多くの国で農業が軽視されたことで引き起こされたと指摘、かんがい設備などの農業インフラ、生産性の高い穀物の種や肥料の供給、農業従事者の教育やその他の研究などへの投資を呼びかけた。

 
 
Photo

編集長のおすすめ

  • ニュース
  • 写真
  • ビデオ

ロイターオンライン調査

Photo
麻生太郎自民党幹事長
小沢一郎民主党代表
小泉純一郎元首相
岡田克也元民主党代表
小池百合子元環境相
その他・該当者なし