焦点:米国の縁故資本主義、オバマ政権の舵取りに注目
森 佳子記者
[東京 14日 ロイター] 金融危機は米国にとってあらゆる「不都合な真実」を浮き彫りにしたが、なかでも市場関係者を含む多く人を失望させたのは、金融産業が政府・金融当局と癒着し利益を貪ってきたことが白日の下にさらされたことだろう。
欧米諸国や国際通貨基金(IMF)は、90年代のアジア危機の原因が「クローニー・キャピタリズム」(縁故資本主義)と呼ばれるアジアの資本主義の後進性に求めたが、一部のエリートが国家権力と結びついて権益を独占し富を増やすやり方は、米国金融界と米政府・行政機構の関係にも当てはまるようだ。
IMFの元チーフエコノミストのサイモン・ジョンソン氏は米国がこれまで採用してきた政策について、「緩い金融規制、安価な資金、持ち家促進政策など、あるものは民主党的であり、ある政策は共和党との関連が深いものだが、全ての政策には一つの共通点がある。それは金融セクターの利益に資することだ」と指摘する。
政府と一部産業の利権が結びついて独裁的利権集団を形成し、一丸となって利益の最大化に走り、それが行き過ぎて最終的に危機に陥る道筋は、韓国、マレーシア、ロシア、アルゼンチンなどの新興国が既に通ってきたものだ。
危機発生国を観察し、処方箋を提案してきたジョンソン氏は「米国で危惧すべきことは、腰折れ状態の景気を立て直すために迅速に実施されるべき改革を、金融界が拒む方向で影響力を行使していること。米政府は無力で影響力を排除する気も無いようだ」と言う。
<ストレステストとIMF>
オバマ大統領はある面では、金融機関を核とするクローニー・キャピタリズムと対峙する姿勢を見せ、金融規制強化に乗り出しているが、米大手19金融機関に対する健全性審査(ストレステスト)では、米当局が金融界の要望に柔軟に応じる格好となった。 続く...












