日本経済のリスクはバランスする方向へ、物価下落圧力長く残る=日銀総裁
[東京 4日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は4日、都内で行った講演で、日本経済について、持ち直していくとの見通しをあらためて示した上で、日本経済を取り巻く上下のリスクバランスは、下振れリスクを意識していた春先ごろまでの状況と比べればバランスする方向に向かっているとの見方を示した。
また、物価見通しについては、需要不足がかつてないほど大きく、先行きの景気回復ペースも緩やかなものになると見込まれることから「物価の下落圧力はある程度長い期間にわたって残る」としつつも、「物価下落が起点となって景気を下押しする可能性は小さい」と語った。同総裁は共同通信社「きさらぎ会」で講演した。
同総裁は世界経済について、バランスシート修復作業は「世界経済が持続可能な成長経路に復帰していくために避けて通れないプロセス」として、「その間は、経済に対し下押し圧力がかかり続けることを認識する必要がある」と述べた。
経済の本格成長のためには、これまで世界経済を押し上げてきた政策効果や在庫復元効果などが減衰する前に「民間最終需要の自律的回復にうまくバトンタッチできるかどうかが鍵」と指摘した。
また新興国の景気押し上げに先進国からの資金流入が当面、寄与すると思われるとしたものの、「こうした状況が長く続き過ぎると、新興国経済の過熱や金融混乱をもたらし、その後の景気の落ち込みを招く可能性がある」と警告した。
日本経済については、リーマン・ブラザーズ破たん直前の水準と比べると、鉱工業生産は9月で8割強の水準にとどまるなど「なお低い」と指摘した。また、来年度半ばごろまでは、わが国経済の持ち直しペースも緩やかなものとなる可能性が高いが、2011年度には、成長率は明確に高まるとの見通しを繰り返した。
同総裁は「本格的に成長軌道に復帰していくまでには、もうしばらく時間がかかる」とした上で、日銀としては「極めて緩和的な金融環境を維持し、それを通じて、わが国経済が物価安定の下での持続的成長経路に復帰していくことを粘り強く支援していく」との決意を確認した。
コマーシャルペーパー(CP)・社債買入れオペの終了など時限措置の取り扱いについては「金融政策そのものをどう運営するかとは切り離された問題」と述べ、異例の措置の終了などは利上げに直結しないとの考えをあらためて示した。 続く...












