WRAPUP1: 住宅市場・原油価格が経済の脅威、金融安定が最優先事項=バーナンキ米FRB議長
[ワシントン 15日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、上院銀行委員会で半期に一度の証言を行い、住宅市場の低迷やクレジットのひっ迫、原油価格の上昇が経済への脅威となっていると述べた。その上で、金融市場の安定回復がFRBの最優先事項との認識を示した。
6月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、成長の下振れリスクがやや低下したとしたとの判断を示していたが、これと比較して今回の評価はより悲観的になっている。
バーナンキ議長は、最近の数週間で、とりわけ政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)の金融状況をめぐり、金融市場の不安が高まったと指摘。経済成長やインフレに対する見通しは非常に不透明だと強調した。投資家はFRBが少なくとも8月まで金利を据え置き、年内も据え置きを続ける可能性があると受け止めた。
議長は「経済成長とインフレ見通しへのリスクを正確に評価し適切に均衡化することが、金融政策担当者にとって大きな課題だ」と述べた。
さらに「エネルギー価格の一段の上昇の可能性や、クレジット状況のさらなるひっ迫、引き続き低迷している住宅市場は、すべて経済成長見通しに対するかなりの下向きリスクとなっている」と指摘。同時に「インフレ見通しへの上向きリスクも最近強まった」との見方を示した。
低迷する住宅市場は「われわれが直面する最も重要で主要な課題」であり、個人消費や金融機関の健全性のカギを握るとした。
米財務省とFRBは13日にファニーメイやフレディマックに対する支援策を発表したばかり。
バーナンキ議長は「先行きの経済やクレジットの質が引き続き不透明であることなどからに、多くの金融市場や金融機関は依然かなりの緊張(considerable stress)の下にある」と指摘。「金融市場が一段と正常に機能するよう回復を後押しすることが、FRBにとって引き続き最優先課題となる」と述べた。
市場ではバーナンキ議長発言を安心材料と受け止めず、ドル安・債券高で反応した。株価は一時2%下落する場面もみられたものの、原油の値下がりなどを背景に持ち直した。
議長は半期に一度の金融政策報告を議会に提出し、2008年の国内総生産(GDP)成長率見通しを1.0─1.6%と、4月時点の予想であるプラス0.3─1.2%から上方修正した。消費支出が強まるとの見方が理由。
ブッシュ米大統領は、金融状況は明らかに不透明と認めつつ、経済は依然成長していると述べた。
08年の個人消費支出(PCE)価格指数の伸びについては、エネルギー価格の上昇を背景に、前回の3.1─3.4%から3.8─4.2%に引き上げた。
ABNアムロ(シカゴ)のシニア為替ストラテジスト、ダスティン・リード氏は、インフレ圧力の上昇リスクと、経済がかなり下振れするリスクの双方が存在するなか「次の(金利)動向をめぐり、他の中銀の大半と同様、FRBは困難な時期に直面している」と述べた。
低迷する経済成長と根強いインフレのなか、FRBは難しい政策運営を迫られるが、FRB内外からの利上げ圧力は強まっている。
朝方発表された6月の小売売上高は0.1%増となり、同月の卸売物価指数(PPI)は総合ベースで前月比プラス1.8%と予想以上の伸びとなった。
こうしたなか企業動向もさえない。自動車大手ゼネラル・モーターズGM.Nはこの日、定額給従業員の20%カットを発表。キンバリー・クラーク(KMB.N: 株価, 企業情報, レポート)はエネルギーコスト高を理由に利益見通しを下方修正した。
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