〔アングル〕ドル/円当面のターゲットは105円、6月末にかけてドル売りの見方も
[東京 21日 ロイター] 金融市場で信用不安がいったんは後退したことを受け、ドル/円の当面のターゲットが輸出企業の採算ラインとみられる105円に切り上がってきた。ドルは前週末に104円半ばまで一気に跳ね上がったが、週明けの東京市場では上値が重い。今後は米経済のファンダメンタルズの強さを見極めながらの慎重な相場展開となりそうだ。
<目先のターゲットは105円へ>
前週末のニューヨーク市場で、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算を受けて信用危機が最悪期を脱したとの観測が高まり、ドル/円は104.66円に上昇、7週間ぶりの高値を付けた。前週末の東京市場の午後5時時点では102.46/49円だったため、一気に2円超上昇したことになる。
きょうはバンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算発表が予定されているが、「内容が予想の範囲内なら、その後はドル買いになるのではないか」(三菱東京UFJ銀行上席調査役、佐原満氏)との見方も出ている。週明けの東京市場では、複数の市場参加者が輸出企業の採算ラインの105円を目先のターゲットとしている。
前出の三菱東京UFJ銀の佐原満・上席調査役は、足元の市場のセンチメントについて「金融不安が後退したという流れになっているが、今はかなり売りオーダーが薄い」と述べている。こうした流れがまだ続くとの見方であれば輸出企業による売りオーダーは入りにくく、上昇余地が残されているとの見立てだ。
日本経団連の御手洗冨士夫会長は3月10日の記者会見で、急激な円高の進行について「輸出企業には一時的ショックだと思うが、日本企業は筋肉体質になっており、105円ぐらいなら対応できる」と指摘した。経済同友会の桜井正光代表幹事(リコー会長)も「昨年10月、ほとんどの企業は業績の見通しを1ドル=115円を軸に考えていた。今のペースでは、企業が輸出で採算のとれる水準は希望も含めて105円から110円」と語った。
<米ファンダメンタルズからドル高慎重論も>
しかし、「米経済のファンダメンタルズがさえないことに変わりはないので、ドル急伸は意外な展開」(国内金融機関)との慎重な見方が根強いのも事実だ。週明けの東京市場朝方の取引で一時104.07円に上昇したことで、足元は堅調に見えるが、「上値を追う展開でもない」(国内金融機関)と指摘されている。
「ファンダメンタルズ面での今後の注目点は、米雇用情勢の悪化がどれほど消費を減速させるかだ。ただ、5月中ごろから所得税還付などの減税措置が実行に移されるので、消費減速の緩衝効果が得られるかもしれない」とクレディ・スイス証券の経済調査部バイスプレジテント、小笠原悟氏は指摘する。「米ファンダメンタルズの弱い地合いが続けば米金利が低い状況下、ドルが売られやすい状態が継続するだろう」と同氏はみている。
市場では、当面の目安となる105円の水準は、前月に付けた安値95円台から10円程度上昇することになり、売りが強まるとみられている。
ドル買いを進めていくには「3月米耐久財受注(24日)、3月米新築1戸建て住宅販売(24日)などの指標が改善してから」(国内金融機関)と、慎重な姿勢を見せる投資家が多い。米金利の大幅引き下げ観測は後退したものの、依然として慎重論は根強い。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド東京支店ヘッドオブFXストラテジー、山本雅文氏によると、短期金融市場の流動性危機や金融セクターの経営不安の台頭を受けたドル売り/円買いは、昨年8月以降は11月、3月とおおむね4半期末というサイクルで起きている。歴史的にもドル/円は5月に下落しやすい季節性が見受けられるとし、「6月末にかけて再びドル安/円高局面がくる」との見方を維持している。
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.
好決算でも足元の株価は慎重
好決算を株価が織り込むタイミングは、地合いが落ち着いてからとの見方が出ている。 記事の全文





日本
米国