〔クロスマーケットアイ〕欧米金融機関の資金繰り問題が再燃、円売り要因との見方も
<東京市場 24日>
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日経平均 |国債先物9月限 | 国債293回債 |ドル/円(15:45) |
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13849.56円 | 134.15円 | 1.700% | 108.12/17円 |
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-7.91円 | +0.15円 | -0.015% | 107.85/88円 |
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注:日経平均、国債先物は大引け、現物の価格は午後3時の値。
下段は前営業日終値比。為替は前日NY終盤。
[東京 24日 ロイター] 24日の東京市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)
を前にして方向感なく小動き。株式市場ではドル相場が安定しているため、企業業績に対
する悲観論がやや後退、下値を支える要因になっている。ただ、為替市場では欧米の金融
機関がサムライ債(円建て外債)など円資金を調達して自国通貨に替えていることが円売
りの一因、との声が出ており、四半期末を前にした資金繰り問題にも関心が高まっている。
<予想外の円安、日本株の下値をサポート>
株式市場では日経平均.N225が前日終値を挟んで小動き。FOMCを控えて見送りム
ードが強く、「あえてリスクを取るような投資家は少ない。海外勢の動きも鈍っている」
(ピクテ投信投資顧問・ヘッドトレーダーの小野塚二也氏)。国内運用資金とみられる買
いがみずほFG(8411.T: 株価, ニュース, レポート)、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱商事(8058.T: 株価, ニュース, レポート)などのコア銘柄に入り指
数は下げ渋っているが、反発力は弱い。
不透明要因が多い中で、日本株を下支えしているのは為替の安定だ。「予想外の円安が
続いているほか、企業のコスト削減努力など事前に織り込まれていない要素も加わってく
る。4―6月期の業績は期初に悲観されたほど悪くない可能性があり、売り込むのも難し
い」(大手証券)との声も出ている。
ある欧州系証券筋は「多くの投資家は(取引を)休むことが今、一番いいと考えている。
先行き不透明感が強くても、少しでも方向性が見えてくれば、先に出て行こうとする投
資家がいるものだが、そうした投資家もいないくらい、相場やファンダメンタルズの行方
が読めなくなっている」と話す。
<FOMC声明、玉虫色で決着か>
注目のFOMCは25日(日本時間26日未明)に結果が判明するが、フェデラルファ
ンド(FF)金利の誘導目標は現行の2%に据え置きとの見方が大勢となっている。声明
文でも「引き締め、緩和のどちらかにバイアスが傾けば為替か株式のどちらかの市場に波
乱が起こる、結局、『景気に配慮しつつ、必要な手段を見極めていく』といった玉虫色の
表現になるのではないか」(住信アセットマネジメント株式運用部長の三澤淳一氏)との
見方が出ている。
三澤氏は「米株が年初来安値圏に入っている半面、商品高などでインフレ懸念が強まり、
FRBの舵取りは難しい。金融政策、声明文ともにニュートラルとなった場合、株式
市場にとってはどちらかといえばプラスに作用しそうだが、ドル高サポートの面からはや
や期待外れと受け取られドル安に振れる可能性もある」とみている。
いちよし証券投資情報部チーフストラテジストの高橋正信氏は「声明文でも金利感を誘
導しないような内容になるのではないか」という。「米国は景気を無視できる状況ではな
い。ドルと原油では政策の手詰まりを見透かした原油優位の状態ではあるが、一方で(6
月ユーロ圏の製造業とサービス部門のPMIが悪化するなど)欧州中央銀行(ECB)の
利上げにも不透明要因がある」と指摘。「不透明要因が多すぎて相場がこう着状態となる
なかで、6月末決算を意識した海外勢がリスク資産を引き下げるために日本株についても
利益確定売りを始めているようだ」と話している。
<欧米金融機関が円調達を活発化>
為替市場ではドル/円JPY=が108円前半で取引されている。108円前半に控える
一段の円売りを誘発するストップロスを狙った買いが強まり、一時108.24円まで上
昇した。ドル/円上昇の一因として、週末にかけて行われる米債入札に絡んで、投資家の
ドル買い需要が強まる可能性があるとの思惑が浮上している。
ドル/円の上昇を背景にクロス円もしっかり。ユーロ/円は167円前半から168円
前半に、英ポンド/円GBPJPY=Rも小規模なストップロスを巻き込みつつ211円後半か
ら212円後半に上昇した。
最近のクロス円上昇の一因として、外銀の円調達の活発化を指摘する声も上がっている。
海外企業による低金利の円を調達するサムライ債の発行が増える中、四半期末を控えて
「円以外の調達金利がまた強含みになっていることで、(外銀が低金利の)円を調達して
自国通貨へ替える動きが、クロス円やドル/円の底堅さにつながっている」(都銀)とい
う。
ある外銀筋は「ダウ平均株価は3月安値に接近してきたが、3月と違うのはすべてのセ
クターが売られていないところ。金融セクターは安値だが、セーフティネットに対する安
心感があるようだ。ただ、あと200ドルくらい下げたら底抜けに対する懸念が出てくる
だろう」と話しており、信用不安や景気悪化観測の広がりに注目している。
このほか、金下落が市場では話題になった。金XAU=は前日のNY市場で約2%下落し、
1週間ぶりの安値となる1オンス=877ドルまで下落した。「ベトナムの金輸入停止
のニュースをきっかけに、一部の商品ファンドが破たんの危機に直面しているなどのうわ
さがニューヨーク時間に流れ、心理的にドル買い安心感を誘った」(証券会社)という。
米系ファンドが金の保有残高を減らしているとの観測もあるという。
<長期金利1.7%割れで戻り売り>
円債市場はしっかり。FOMCや週末の消費者物価指数(CPI)、来週の6月日銀短
観とイベントを控えて様子見ムードが広がる中、不安定な株価動向をにらみながら、全般
に底堅く推移した。株価が持ち直す場面では上値を重くし、「前日に買いを入れた短期筋
の投げ」(邦銀)もあったが、日銀短観が市場予想を下回るとの観測で景気下振れ懸念が
強まっていることが相場を下支えした。
市場には「海外勢が欧米金融機関の信用問題を手掛かりに先物に買いを入れた」(国内
金融機関)との見方もある。前日の海外市場では、ゴールドマン・サックスがクレジット
状況の悪化を理由に金融株セクターの投資判断をアンダーウエートに引き下げたほか、バ
ンク・オブ・アメリカがメリルリンチMER.NとUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)(UBS.N: 株価, 企業情報, レポート)について一段の
評価損が見込まれるとの見方を示した。「欧米市場で極端な質への逃避の動きがみられる
状況」(国内証券)という。
ただ、10年最長期国債利回り(長期金利)が一時約3週間ぶりに1.7%を割り込ん
だ場面では戻り売りに押されるなど、金利低下が一服した可能性も指摘されている。
この日の2年債入札に関しては順調、との受け止め方が聞かれた。
モルガン・スタンレー証券、債券ストラテジストの伊藤篤氏は「日銀の利上げが当面困
難であることを踏まえれば表面利率0.9%というのはそこそこの需要を喚起できる水準
だったようだ」と話す。
大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏も「リスク管理上、短期セクタ
ーに資金が流入しやすい。証券など業者のショートカバーニーズなどもあり、そこそこの
応札があった」とみている。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:宮崎 亜巳)
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