〔兜町ウォッチャー〕ヘッジFの解約が増加、先物ショート手仕舞いで株価急騰

2008年 08月 11日 17:13 JST
 
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 ヘッジファンドのパフォーマンス悪化で最終投資家からの解約が増加、世界的にポジション手仕舞いの動きが広がっている。東京市場でも日経平均先物をショートしていたヘッジファンドの買い戻しの動きが11日の日経平均の大幅高につながったとの声が出ている。市場で評価の高い銘柄に対するロング/ショート系のファンドの手仕舞い売りも含めてアンワインドの影響が広がっているが、ヘッジファンドの手仕舞い売りで急落した昨年夏ほどの急落にはならず、むしろ先物の買い戻しが先行するとの声も出ている。

 <ストラテジーの異なるヘッジファンドの手仕舞いが市場をかく乱>

 ヘッジファンドのパフォーマンスが悪化するなか、これまで好成績を保ってきたグローバルマクロやマネージドフューチャーズと呼ばれる、現在主に先物でポジションを持っているファンドのパフォーマンスが急速に悪化している。

 草野グローバルフロンティア代表取締役、草野豊己氏によると、彼らのポジションは原油を含めた商品先物買い/S&Pや日経平均などの株式先物売り。ほかに商品先物買い/ドル先物売り、ドル先物売り/ユーロや円など他通貨先物買いも大きいという。しかし、ここにきての原油など商品価格の下落でパフォーマンスが急速に悪化し「ロスカットのほか、顧客からの解約を受けたポジションのアンワインドの動きが広がっている」(草野氏)という。

 きょうの日経平均は先物主導で300円を超える上昇となったが、市場では「ドル高/円安や米国株高、原油安を受けたセンチメントの改善のほか、先物をショートしていたヘッジファンドのアンワインドによる影響が大きそうだ」(準大手証券)との声が上がっている。草野氏の指摘のように、原油安やドル高/円安についてもヘッジファンドの手仕舞いが影響していたとするなら、きょうの日経平均の上昇は外部環境の変化も含めて需給主導で、一時的なものに終わる可能性がある。

 一方、上がりそうな銘柄を買って下がりそうな銘柄を売るロング/ショート系の手仕舞いが「市場で評価の高い銘柄の下げにつながり、そこにディーラーなど短期筋の追随売りが重なって下げをきつくしたケースが目につく」(銀行)との声も多く、さまざまなストラテジーのヘッジファンドがそれぞれのポジションを手仕舞っているため、株価の値動きは日替わりで錯綜(さくそう)している。

 <アンワインドによる影響は昨年夏よりは小規模か>

 アンワインドの動きが強まれば、手仕舞い売りの連鎖に発展する可能性もある。昨年夏は、8月15日に9月末の解約規模が確定した前後にポジションを解消する手仕舞い売りの連鎖となり、日経平均は8月17日にかけて急落した。ここにきてのヘッジファンドの手仕舞いの動きをにらみ、市場では「今年も8月15日前後の値動きが気にかかる」(大手証券)との声が聞かれる。

 ただ「昨年夏以降ヘッジファンドの解約が進んでいるほか、金融機関がヘッジファンドへの融資を抑えていることもあり、昨年ほど大きくポジションを持っているとは考えにくい。たとえ下げたとしても、昨年ほどの規模にはならないだろう」(準大手証券)との見方が出ている。

 また、追随売りを呼びやすい評価の高い銘柄の現物売りにつながるロング/ショート系のファンドの売りについては、いったん沈静化しているとの声もある。「先週半ばまでは海外勢からの売りが目立ったが、その後はきょうにかけて、ファンドとみられる目立った売りは出ていない」(外資系証券)という。

 <海外長期投資家は売りスタンス、先物の買い戻し一巡後を警戒する声>

 草野グローバルフロンティアの草野氏は「昨年は現物株の手仕舞いが中心だったが、今年は先物が中心。株価はショートカバーでむしろ押し上げられる方向だ」とみている。ただ、4─6月期の決算発表では主力企業の業績予想下方修正が続出、日本景気も後退色が強まるなかで、海外投資家の日本株に対する投資スタンスは冷ややかなものになっているという。「株価上昇を受けて海外の長期投資家はむしろ売りをぶつけているのではないか。問題はむしろ、ヘッジファンドのショートカバーが一巡したあとの反動安の可能性だ」(草野氏)という。

                    (東京 11日 ロイター)

(ロイター日本語ニュース 松平陽子)

 
 

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