再送:〔アングル〕トヨタ<7203.T>の成長戦略に狂い、世界規模の生産体制見直しの可能性

2008年 11月 7日 07:27 JST
 
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 *この記事は6日午後8時33分に送信しました。

 [東京 6日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の2009年3月期営業利益は1991年の水準まで落ち込む見通しで、90年代半ば以降の海外展開加速で積み上げた利益は一気に吹き飛ぶ。プラス要因として働いてきた為替と北米販売がマイナスに転じたことが主な理由だが、このところ注力してきた新興国戦略にも狂いが生じており、トヨタは世界規模での生産体制の見直しを迫られる可能性がある。

 <北米の大型車投入が誤算>

 「日を追って、週を追って状況の厳しさが増している。オイルショックや円高など何度も危機を乗り越えて成長してきたが、現在の状況はこれまで以上の緊急事態と認識している」──。トヨタの木下光男副社長は6日の決算会見でこう語り、世界規模で自動車販売の環境が厳しさを増している現実に危機感をにじませた。

 トヨタが同日発表した09年3月期の連結営業利益(米国会計基準)見通しは6000億円で、過去最高だった前年から73%減少する。バブルの余韻が残る国内市場を主力としていた91年ごろと同水準だ。バブルの後処理を経て、トヨタは90年代半ばから海外展開を加速。日野自動車(7205.T: 株価, ニュース, レポート)を連結した02年3月期には営業利益を1兆円の大台に乗せ、ここ最近は富士重工業(7270.T: 株価, ニュース, レポート)が毎年1社誕生するようなペースで販売台数を拡大。07年3月期には2兆円を突破した。

 快進撃の最大の理由は北米での好調と為替だ。世界で最も大きな市場で着実にシェアを伸ばすとともに、海外販売の増加で円安による為替差益が利益を押し上げた。しかし、米国でサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が起きたのを機に、世界経済の「潮目が変化」(トヨタの渡辺捷昭社長)し、それまでのプラス要因が足を引っ張る要因に転じた。

 とりわけトヨタにとって誤算だったのは、07年に北米でフルサイズのピックアップトラック市場に本格参入した点だった。ガソリン価格の高騰で販売は低迷し、利益率の高い大型車でさらなる成長を図ろうとしたトヨタの目算は狂った。07年4─9月期に2630億円の黒字だった北米地域の営業損益は、今4─9月期は346億円の赤字となった。

 <新規プロジェクトを総点検>

 先進国の不調を補うべき新興国も、ここに来て成長が鈍化している。営業利益に反映されない中国事業の業績を含む今4─9月期の持分法投資利益は、前年比横ばいにとどまり、前年の62%増から伸び率が大幅に低下した。ロシアなど堅調な地域もまだあるが、先進国の低迷をカバーするまでにはいたらず、トヨタは下半期の営業損益はほぼ収支均衡と見ている。木下副社長は「世界は1つだから、いずれ影響が出てくる」と語り、新興国市場が、先進国を発端にした金融不安の影響を受けるとの認識を示した。

 かつて年3割のペースで拡大していた中国自動車市場の成長率は、最近は10%程度に鈍化している。トヨタは潜在性を見越して次々と工場を建設してきたが「こんなに浮かれていて大丈夫なのか、という声が社内で出てきた」と関係者は話す。「ものすごい勢いで成長していた時期に計画したプロジェクトが、今もそのまま進行しているケースがある。そうした計画は見直すことになるだろう」と、生産体制の見直しをにじませた。

 トヨタは将来の成長のため、今期の設備投資額は1兆4000億円のまま据え置いた。しかし、木下副社長は「すべての新規プロジェクトについて当初の実施時期や生産規模を総点検し、生産の適正化を図り、新規設備投資を見直す」と語り、体制の立て直しを図る考えを明らかにした。

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 (ロイターニュース 久保 信博記者;編集 田巻 一彦)

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