再送:〔焦点〕米リーマンの株価急落、政府主導の救済めぐる観測強まる

2008年 09月 10日 14:09 JST
 
記事を印刷する |

 [ワシントン 9日 ロイター] 9日の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスLEH.Nの株価は、資金調達に関する懸念で45%下落した。これにより、米政府主導の救済となる観測が強まっている。

 3月のベアー・スターンズ売却と、7日の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)および連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)の政府管理は、米金融当局にとって避けることが難しい先例となった。

 リーマンはベアー・スターンズがJPモルガンチェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)に買収されて以来、金利スワップやクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、エクイティ・デリバティブなどベアーが得意としていた分野の多くで重要な役割を果たしている。

 米政府は、特に納税者の負担を必要とする場合、再び金融機関の救済に乗り出すことには消極的とみられる。ただ専門家は、システミックな金融リスク回避のために選択肢がなくなることもあるとみている。

 ポールソン財務長官とバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、金融システム安定のために行動をおこさざるを得なくなる可能性がある。

 ブルッキングス研究所のシニアフェロー、ロバート・ライタン氏は「金融のブラックホールのようなものに、より多くの人が引き込まれるリスクがある」と指摘する。同氏は、財務長官とFRB議長が、するべきことをしなかった人物として歴史に名を残したいとは考えていないだろう、という。

 政府介入の転換点は、リーマンをめぐるカウンターパーティー・リスクがどれほど存在するかによる。

 複数の専門家によると、元ゴールドマン・サックス会長のポールソン財務長官は、ウォール街の友人に電話をかけ、業界の情報や、リスクにさらされている顔ぶれ、どれだけの損失を被る用意があるかなどを聞いているとみられる。

 ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツのアナリスト、ジョン・カナバン氏は「ベアー・スターンズのケースと同様、最悪のシナリオが進んだ場合、処理が難しい取引が大量に存在することへの懸念があることは明らかだ」と述べた。

 

 <カウンターパーティー・リスク>

  

 リーマンは、ベアー破たん後にFRBが導入した証券会社向け融資を利用できるが、これは短期流動性確保のためであり、支払い不能となった企業を救うものではない。

 専門家の中には、カウンターパーティー・リスクが小さいと判断されれば、監督当局がベアー破たんの際の前例には従わず、破綻させられないほど投資額は大きくはないというメッセージを送る可能性がある。

 リーマンをめぐる懸念は過去数カ月市場で広がっており、株価は今年約90%下落した。これについて同社は、株価の下落で利益を得るトレーダーが根拠の無いうわさを流したため、と批判している。

 同社株の9日終値は45%安の7.79ドル。1998年10月以来の安値をつけた。ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズが韓国の金融監督委員長の発言として、韓国産業銀行(KDB)とリーマンの出資をめぐる協議が打ち切られたと報じたことを受けた。ダウ・ジョーンズはさらに、政府当局者の発言として、KDBがリーマンへの出資見送りを決定したと伝えた。

 その後の時間外取引では、シティ・グループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、クレディスイス(CSGN.VX: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)やモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)などの金融機関がリーマンとの取引は継続していると発表したことを受け、株価は7.87ドルに上昇した。

 エコノミストの間では、リーマンのこれまでの長い成功の歴史からみて、政府救済なしに生き残れるとの声も聞かれる。

 ただブルッキングス研究所のライタン氏は、もし他社が資金を引き揚げ、信用収縮が広がっているとの見方が広がれば、監督当局はベアーの時と同様に他社との合併を模索するとの見方を示した。

 (Karey Wutkowski記者;翻訳 中田千代子 ;編集 宮崎亜巳)

 
 

編集長のおすすめ

  • ニュース
  • 写真
  • ビデオ

ファクトボックス

FNM.N
現値:
前日比:
Up/Down:
 
  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率

株価検索

会社名銘柄コード
 
写真

サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は、今後2年間はFF金利がゼロ近辺にとどまる可能性があると指摘した。  ブログ