〔情報BOX〕初代EU大統領、候補者の横顔

2009年 11月 10日 18:03 JST
 
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 [9日 ロイター] 欧州連合(EU)の新たな基本条約「リスボン条約」の発効が確実となったことで、EU加盟国は近く、同条約の発行と同時に創設されるEU大統領を選出する見通しとなった。

 創設されるEU大統領は、EUの最高協議機関である欧州理事会(European Council)の議長という立場。任期は2年半。現在、輪番制となっている同理事会の議長国の半年の任期より長くなる。

 以下は、初代EU大統領として、報道、外交筋、およびブリュッセルのアナリストの間で取りざたされている人物の経歴。

  

 ◎ベルギーのヘルマン・ファンロンパイ首相 (62歳)

 中道右派の候補として浮上。金融危機後にベルギー首相に就任してから1年とたっていないものの、困難な連立内閣のかじ取りをうまくこなしている。

 控えめな性格で、意見を調整する能力に定評があるため、世界的な知名度を誇る英国のブレア前首相よりも、ドイツのメルケル首相やフランスのサルコジ大統領の支持を得やすい可能性がある。

 ベルギーのデ・モルゲン紙はファンロンパイ氏について「同氏の歩み寄りの姿勢は、有力候補となる要素だ。控えめな性格、慎重で謙虚な労働倫理は尊敬の対象となっている」としている。

  

 ◎オランダのバルケネンデ首相 (53歳)

 ファンロンパイ氏と同様、意見調整型の候補として浮上。オランダはEU発足当時からの加盟国。バルケネンデ首相は近年、主要8カ国(G8)首脳会議や20カ国・地域(G20)首脳会議への参加を交渉するなど、オランダの国際舞台での役割拡大に努めてきた。

 ただ、2005年にオランダで欧州憲法条約批准が国民投票で否決された時に首相を務めていたことが不利に働く可能性もある。また米国主導のイラク戦争に支持を表明したことも足を引っ張る可能性がある。

  

 ◎ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相兼財務相 (54歳)

 中道右派。統一通貨ユーロの発足に道筋をつけた1993年のマーストリヒト条約の草案に携わった1人。EU域内の大国との意見調整役として力を発揮してきた。現在、ユーロ導入国の財務相で構成するユーログループの議長を務める。

 同氏は、EU大統領に推された場合は前向きに検討すると発言。フランスは反対する見通しだが、ユンケル氏自身は新聞とのインタビューで、初代EU大統領就任の可能性が低いとは信じていないと語っている。

  

 ◎英国のトニー・ブレア前首相 (55歳)

 2週間前に欧州の左派系政党の党首らの支持を得られなかったことで、ブレア氏の初代EU大統領就任の可能性は若干低下した。フランスのサルコジ大統領は、別の候補を支持することを示唆。ただ、同大統領は誰を支持するのかは明らかにしていない。こうした動きが出る中でも、ブレア氏は依然として有力候補と目されている。

 同氏は本命視されているが、加盟国の多くは、ブレア氏ほどの知名度はなくても、意見調整能力に長けた候補が望ましいとみている。イラク戦争を強く支持したことも不利に働く可能性がある。また、英国がユーロ圏16カ国の一員ではないこと、参加国の国民に相互のビザなし渡航を認めるシェンゲン協定に参加していないこともブレア氏に逆風となる可能性がある。

  

 ◎フィンランドのパーヴォ・タピオ・リッポネン元首相 (68歳)

 リッポネン氏は、EU加盟国のなかの大国と小国の利害対立で譲歩を引き出せる可能性がある。元ジャーナリスト。2000年に行った演説で、EU憲法の構想を発表した。1995年から2003年までフィンランドの首相を務める。フィンランド社会民主党(SDP)の党首を務めた経験もある。

 先月、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、EU大統領の主要任務はコンセンサスの形成という対内的なものになるとの考えを示した。

  

 ◎オーストリアのウォルフガング・シュッセル元首相 (64歳)

 中道右派の候補とみられている。キリスト教民主党に所属。2000年初めから2007年までオーストリア首相を務める。ドイツのメルケル首相とは親交が深い。ただ、シュッセル氏が2000年に移民受け入れ制限を唱える極右派のイエルク・ハイダー氏と手を組み連立政権を発足させたことについて、フランスは今も批判的な立場をとっている。シュッセル元首相がハイダー氏と連携したことで、他のEU加盟国はオーストリア政府との協力を一時停止するなどした経緯がある。

  

 ◎ラトビアのワイラ・ビケフレイベルガ前首相 (71歳)

 「東の鉄の女」との異名を取る。1999年から2007年の間に2期大統領を務め、その間にラトビアの北大西洋条約機構(NATO)およびEU加盟に尽力。

 カナダで心理学の教授として研究生活を送った後、ラトビアに帰国。特定の政党に属さず、自身、中道派を名乗る。米国主導のイラク戦争を支持。ラトビアのゴドマニス現首相は、ラトビアが現在直面している経済問題は、ビケフレイベルガ氏のEU大統領就任の阻害要因にならないと発言している。

  

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