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UPDATE1: 欧州委が「銀行同盟」構想発表、ECBがユーロ圏全行を監督
2012年9月12日 / 16:07 / 5年前

UPDATE1: 欧州委が「銀行同盟」構想発表、ECBがユーロ圏全行を監督

 [ストラスブール 12日 ロイター] 欧州委員会は12日、「銀行同盟」構想を公表した。欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の全ての銀行を監督する中核的な役割を果たすことを提案しており、バローゾ委員長は欧州の銀行同盟設立に向けた最初の一歩となるとの考えを示した。

 今回の債務危機では、銀行の経営危機が金融不安を引き起こし、さらに銀行の救済コスト増大が財政難に拍車を掛けたことで危機が悪化した面がある。

 ECBに監督権限を一元化する銀行同盟構想では、こうした悪循環を断ち切り、欧州の財政統合深化へと道筋をつける青写真を描く。

 バローゾ委員長は欧州議会で施政方針演説を行い、「欧州委は欧州で統一した監督メカニズム構築に向けて法整備を提案する」と述べた。銀行同盟の創設に向けた「飛躍的な前進」とし、「きょう提案した単一の監督メカニズムにより、強固な構造が生まれ、その中心的役割をECBが果たす」としている。

 同委員長はまた、「システミックリスクはあらゆるところに存在するため、全てを監督する必要がある」と述べた。

 提案された銀行同盟は3段階にわたる。まずECBがユーロ圏全ての金融機関と、欧州連合(EU)の中で合意を得た銀行を監督する権限を有することになる。次に問題を抱える銀行を閉鎖するための基金と、ユーロ圏全体の預金保険制度を相次いで創設する。

 ECBは各国の規制当局を束ね、制裁金の賦課(ふか)や清算に関する権限が付与される。流動性に関する監督権限も新たに与えられ、銀行に資本の積み増しを要求することも可能になる。

 ECBは、ユーロ圏の金融安定確保に寄与するとして、銀行同盟構想を歓迎する意向を表明した。

 国内銀行の救済に欧州から最大1000億ユーロの支援を承認されているスペイン政府も、バローゾ委員長の提案を歓迎した。

 ECBの銀行監督一元化が欧州安定メカニズム(ESM)などによるスペイン銀への直接救済に道を開く可能性もあり、市場関係者は動向を注視している。

 

 一方、地方の貯蓄銀行などに対する主要監督権限を手放したくないドイツは、委員長の演説を受けてあらためて反対の立場を表明した。

 メルケル首相、ショイブレ財務相は共に、域内でおよそ25─30行とされるシステム上重要な大手銀に監督対象を絞ることで、ECBはより効果的に監督できると主張した。

 ショイブレ財務相は「新たな監督体制では、質および効率に焦点を当てるべきだ。ECBが6000行を適切に監督するのは、単純に実務上の観点から不可能に見える」とする声明を発表した。

 ただ日々の監督業務は各国当局に引き続き委ねられることから、ドイツが反対する理由は、重債務国の銀行救済による負担増への懸念との見方も出ている。

 

 英国は銀行同盟には加わらないものの、ユーロ圏で事業を展開する英銀への影響を不安視しているほか、欧州の金融中心地シティを抱えるロンドンの地位をECBの規制が揺るがす恐れがあると懸念している。 

 英財務省の報道官は「ユーロ圏の銀行同盟がEU全体の市場における統合性を尊重するものであるべきとの立場をこれまでも示している」とコメントした。

 銀行同盟構想について、ユーロ圏首脳は来年初めの導入を見込んでいるが、欧州内での足並みの乱れで遅れる可能性もある。

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