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〔クロスマーケットアイ〕想定以上の実体経済悪化を警戒、日本のデフレも円高要因と嫌気
2012年9月28日 / 05:47 / 5年後

〔クロスマーケットアイ〕想定以上の実体経済悪化を警戒、日本のデフレも円高要因と嫌気

 <東京市場 28日>
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    日経平均  | 国債先物12月限 |  国債325回債  | ドル/円(12:00)|
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   8919.44円  |    144.12円    |    0.775%    |   77.52/54円    |
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      -30.43円  |     +0.02円    |   -0.005%   |    77.62/64円   |
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注:日経平均、国債先物前引け、現物の価格は午前11時の値。
    下段は前営業日終値比。為替はNY午後5時。
 
 [東京 28日 ロイター] マーケットの想定以上に実体経済の悪化が進んでいる。
受注や生産が落ち込む一方で在庫が積み上がるなど、在庫調整進展への期待が後退。日本
のデフレが止まらないことも円高要因と嫌気されている。大胆な金融緩和や景気対策期待
などで市場心理は下支えられているものの、積極的なリスクオンは乏しい。

 <生産下振れを警戒>

 一部のエコノミストが年後半に景気が持ち直すと予想している背景には、在庫調整が一
巡するとの期待がある。だが、27日に発表された米国の8月耐久財受注(航空機除く非
国防資本財)では、出荷が2カ月連続でマイナスとなる一方、在庫が増加。調整が進むど
ころか、在庫がどんどん増えていく状況であり、企業は生産調整の判断を迫られることに
なりかねない。

 日本の8月鉱工業生産は前月比1.3%低下と市場予想(0.5%低下)よりもさらに
悪い結果となった。在庫は前月比1.6%低下し、市場では「見た目ほど悪くない」(国
内シンクタンク)との声も出ているが、生産のマイナス分を差し引けば0.3%の低下に
とどまる。中国問題などでさらに生産が減少すれば、在庫調整が思うように進まない可能
性も大きい。岩井コスモ証券の投資調査部エコノミスト、田口はるみ氏は「思った以上に
生産が伸びておらず、足元の中国の状況を考慮すると10、11月には一段と生産や需要
が落ち込み、厳しい状況が続くとみられる」と生産の下振れを警戒する。

 前場の日経平均.N225は続落。年初来高値の1万0255円を付けた3月27日に対
する絶対期日が到来しているため、信用期日に絡む売り物などが出ているという「特殊事
情」もあるが、マーケットでは「鉱工業生産の内容が悪かったのが日本株の売り要因にな
っている」(外資系証券)との指摘もある。追加金融緩和期待や景気対策などで、市場の
リスクセンチメントは維持されているものの、海外勢のリスクオンの動きは一服し、
「いったん引いてみている感じだ」(大手証券トレーダー)という。

 <日米の期待インフレに格差>

 日本のデフレが依然として深刻であると示されたことも日本株の上値を抑えている。
米国などでは量的緩和第3弾(QE3)の導入でインフレ予想が強まっており、日米のイ
ンフレ期待の差がドル安・円高として表れやすいためだ。

 8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比0.3%低下
と4カ月連続でマイナス。先行指標である9月の東京都区部コアCPIは前年比0.4%
低下とマイナス幅は8月の0.5%から縮小したものの、市場予想(0.3%低下)を下
回った。娯楽サービスや交通などが悪く、「特に、宿泊料や航空運賃の下落が目立ってい
る。海外景気減速の影響もあるだろうが、対中国・韓国との関係悪化が長期化すれば、
来日外国人数が減少する可能性がある」(国内金融機関)という。

 野村信託銀行・資金為替部次長の網藏秀樹氏は、名目金利がゼロ近辺に張り付く中では
期待インフレの差が為替を動かす原動力となりやすいと指摘。「QE3によるインフレ予
想が強くなってきた米国と、依然デフレの日本をみれば、ドル/円の上値は重くならざる
を得ない」との見方を示している。

 <スペイン改革策に冷静な見方>

 スペインが27日、歳出削減に重点を置いた2013年予算案を提示するとともに、経
済改革の行程表を発表したことは、発表直後の海外市場ではポジティブ要因として受け止
められたが、マーケットでは徐々に冷静な見方が多くなってきている。

 1つは政策の前提となる2013年の成長率見通しの甘さだ。改革策が歳出削減策に重
点を置いている点を評価する声もあるが、「マイナス0.5%の成長率は最も楽観的な見
通し」(IGマーケッツ・ブローカレッジのソレダド・ペロン氏)とされ、市場を納得さ
せるには不十分。緊縮財政が国民の理解を得るまでには紆余曲折が予想されていることに
加え、「バブル崩壊後の緊縮財政はスパイラル的な経済収縮を招きかねない」(国内金融
機関)と指摘されるなど、市場では厳しい見方が出ている。

 スペインはきょう国内銀の資本不足額を特定する為に実施したストレステストの結果を
公表するが、野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「こ
れを受けて格下げとなれば、リスクオフ的な展開が広がりそうだ。為替市場は格下げを2
―3割程度しか織り込んいないとみられ、週明けにユーロ安と円高が進行する可能性があ
る」と指摘している。

 (ロイターニュース 伊賀大記;編集 山川薫)

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