Reuters logo
〔決算みどころ〕震災特需消え足踏み状態の流通各社、下期にかけて価格競争の激化が懸念材料
2012年9月28日 / 09:00 / 5年前

〔決算みどころ〕震災特需消え足踏み状態の流通各社、下期にかけて価格競争の激化が懸念材料

 [東京 28日 ロイター] 流通各社の業績が足踏み状態を強めている。東日本大震 災からの反動増という特需が一服し、依然として好調なコンビニエンスストア以外は、 「過去最高益」の文字が躍った前期決算から様変わりしつつある。まもなく始まる3―8月 期の決算発表時に、2013年2月期の通期予想を下方修正するほどの下振れはないもの の、下期にかけては集客強化に向けた一段の価格競争も予想され、利益を圧迫しかねない。   <第2四半期に消費は停滞>   流通大手のイオン(8267.T)とセブン&アイ・ホールディングス(3382.T)は、ともに総合 スーパー(GMS)とスーパーマーケットが苦戦。イオンリテールの既存店売上高は、6 月に前年比4.1%減、7月に7.9%減と落ち込んだ。8月は早朝開店の効果などもあ り1.1%増となったたが、3―8月期は1.6%減で推移している。セブン&アイHD も、イトーヨーカ堂の既存店売上高が3月以降7月までマイナスで推移するなど低迷して いる。   内閣府が公表している消費総合指数は、6月に前月比マイナス1.0%、7月にマイナ ス0.5%と低迷。1―5月は、3月のマイナス0.3%を除いてプラスで推移していた だけに、国内消費は第2四半期(6―8月)に入って鈍化傾向を強めたこと分かる。   業界は足踏みの要因として、昨年の猛暑の反動、夏場の天候不順、東日本大震災後の反 動増の裏返しなどを挙げている。また、すでに実施された健康保険料率の引き上げや電気 料金の値上げのほか、震災復興財源のための所得税増税や消費税増税なども控えており、 家計負担の増加が消費の重石になっている。   ただ、イオンはすでに13年2月期業績予想を発表しているグループ会社のイオンクレ ジットサービス(8570.T)が17%の営業増益、イオンモール(8905.T)が7%の営業増益と、 非小売り事業が小売事業の下振れをカバーしている。セブン&アイも、積極出店や客層 拡大で順調なコンビニ業界でも頭ひとつ抜きに出ているセブン―イレブン・ジャパン、買 収により米国で事業を拡大している米セブン―イレブンが好調を持続している。そのため アナリストの多くは、2013年2月期業績見通しが大きく下振れることにはならないと みている。   しかし消費者が価格志向を一段と強める中、下期はさらなる価格競争激化が予想される。 米ウォルマート(WMT.N)傘下の西友は、年末までに1400品目の値下げを計画。価格に 対する消費者の関心は高く、9月13日から実施している第2弾では、品目数を当初予定 の400品目から700品目に拡大した。イオンも生活必需品1000品目の値下げに 踏み切っている。「GMSは売上総利益を伸ばすことが困難になる中では、一層のコスト 削減策の実施が必要になる」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニアアナリスト 桜井亮氏は指摘する。    一方、過去最高益の更新を計画しているコンビニ各社は、伸び率こそ鈍化してきている ものの、期初計画の達成に向けて順調に推移している。足元ではセブン&アイHDのグル ープ力を活して商品戦略を強化しているセブンーイレブン・ジャパンの強さが際立ってき ており「好調な中でも個社の格差が出てきている」(外資系証券アナリスト)状況だ。    <日中関係、国慶節の売上げに暗雲>   不透明要因は、緊迫している日中関係。9月30日から10月7日までの中秋節・国慶 節の休暇は、訪日外国人の増加が期待されていたものの、日中路線は日本航空(JAL) (9201.T)と全日本空輸(ANA)(9202.T)の2社で5万席以上のキャンセルが発生している。   日本百貨店協会によると、1―8月の訪日外国人売上高は前年同期比41%増と、東日 本大震災後の落ち込みから回復していただけに「長引くと影響が大きくなる」(井出陽一 郎専務理事)と心配する声が上がっている。訪日外国人による売上高は年間約400億円 で、都心店舗では2―3%を占めているという。   反日デモの際に中国国内で一時休業した日系の小売り店舗は、ほぼ通常営業に戻ってい る。自動車は日本メーカーのブランドを敬遠する動きが目立つが、日用品については「影 響は出ていない」(イオン広報)、「注意深く見ている状況に変わりはないが、通常営業 に戻ってからは、特に問題は起きていない」(セブン&アイHD広報)という。       ●2013年2月期の主要小売企業の連結営業利益予想   単位:億円、()はアナリスト人数             13年2月期予想   13年2月期会社計画  決算発表 セブン&アイHD    3089(12人)   3150     4日 イオン         2117( 8人) 2100―2200 12日 ローソン(2651.T)     668( 6人)    660     3日 ファミリーマート(8028.T) 470( 6人)    450    11日 高島屋(8233.T)                  240     9日 J.フロント リテイリング(3086.T)                     318( 7人)    260     9日    (ロイターニュース 清水律子;編集 久保信博)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below