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来週のクレジット市場=CDSはワイド化を意識、中国・欧州情勢に振られやすい
2012年9月28日 / 09:02 / 5年前

来週のクレジット市場=CDSはワイド化を意識、中国・欧州情勢に振られやすい

<対国債スプレッド>
 
政保債(地方公)10年 2.0─3.0bp 銀行債(みずほ)5年 18─19bp
地方債(都債) 10年 3.0─4.0bp 電力債(東電)10年 ─ ─ ─bp
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 [東京 28日 ロイター] 来週のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市
場では、中国経済に対する弱気な見方とともに、スペインやギリシャなど欧州情勢をめぐ
る不安が高まりかねないことから、ワイド化を意識した展開が見込まれる。日本の企業業
績への不安もあり、指数や個別銘柄にはリスク回避のポジションが入りやすくなっている。
上値の重い株価に下値不安が広がれば大幅なワイド化も起こり得る。もっとも、中国で景
気刺激策が観測されているだけに、極端なワイド化を抑制する可能性もあるという。

 CDS市場で、指標となるiTraxxJapanシリーズ18ITJJP5Y=GFは今週、
中国情勢に左右される展開となった。中国の景気減速が日本企業の業績にダメージを与え
かねないとの不安が渦巻くなかで一時230ベーシスポイント(bp)までワイド化。大
型の景気刺激策が発表されるとの観測から上海総合指数.SSECが一段高となると、一転
して急速にタイト化した。28日にはタイト化の反動に加え、株安から再びワイド化圧力
がかかった。

 来週も、中国や欧州情勢に振られやすい不安定な展開が避けられそうにない。とくに中
国については景気後退が日本企業に及ぼす影響が大きいだけに、中国株が軟調となれば日
本株もさえない動きを強いられる。「景気や株価動向にプレミアムが敏感に反応しやすく
なっているだけに、株価が大幅に下げるようなことがあれば、指数とともに個別銘柄のプ
レミアムも大きく跳ね上がる可能性がある」(国内金融機関)とIU。電機・鉄鋼・海運な
ど中国と係わり合いが深いセクターにはリスク回避のポジションが入りやすくなっている
ようだ。

 スペイン情勢も楽観視できない。スペインが10月中にも支援要請に踏み切るのかどう
か、あるいは市場が落ち着いていることなどを理由に先送りするのか不透明。支援要請の
有無については、スペインが歳出削減に重点を置いた2013年予算案を出してきたこと
で期待感が膨らんでいるが、政治的な要因からは国民にさらなる負担をかけかねないだけ
に、支援要請を躊躇する可能性もある。10月21日にガリシアとバスクの自治州議会選
挙を控える一方で、29日と31日には52.99億ユーロと149.67億ユーロの国
債償還を向える。みずほ証券・金融市場調査部のシニアクレジットアナリストの金子良介
氏は「スペインが全面救済申請に踏み切るかどうかをみる上で、10月後半がヤマ場にな
る」と述べた。

 ギリシャをめぐる問題も見通しにくい。政府がまとめた115億ユーロの緊縮策をまず
欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)で構成する「トロ
イカ」調査団が承認するのかどうか不透明。さらに議会で法案を可決しなければならない
が、不満を持つ国民からの反発が起きかねないだけに、議会が紛糾することもあり得る。
この115億ユーロの緊縮策は3月に約束したものがまとまるだけ。この間に経済情勢は
悪化しており、明らかに追加の債務削減が必要となる。公的部門の債務再編が避けられな
くなるのか、国債のロールオーバーをECBに要請するといった観測もあり、先行きに対
する不安が払拭されない。

 注目されるイベントや経済指標として、1日発表の9月日銀短観、4─5日に開催され
る日銀の金融政策決定会合、4日のECB理事会、5日発表の9月米雇用統計などが控え
ている。

 <一般債、下期入りで買い方増える>

 一般債市場では、これまで9月中間決算という特殊事情から売り物が膨らんでいたが、
下期入りとなる来週からは徐々に落ち着きを取り戻しそうだ。収益悪化、格下げリスクの
ある企業の社債に売り圧力がかかっていたものの、幾分減少するか、あるいは買い戻され
る可能性もあるという。もっとも、中国情勢は景気悪化だけでなく、日本による尖閣諸島
(中国名・釣魚島)国有化を受けて日中関係がぎくしゃくしており、これらマイナスの影
響が企業の収益を脅かしかねない。電機・鉄鋼・海運などの一部業種の国内普通社債(S
B)には売り物が継続して出てくるとの見方もある。
 モルガン・スタンレーMUFG証券・クレジット・ストラテジストの三浦毅司氏は「ス
プレッドとレバレッジとの関係を、スプレッドがどれだけファンダメンタルリスクを補っ
ているかを示す評価指標として利用している」と指摘したうえで、現在、日本のスプレッ
ドとレバレッジとの関係はもっともタイトな水準に近づいており、ファンダメンタルの悪
化には不十分と考えている、と述べた。

 一方、政府保証債・地方債、財投機関債には安全資産として投資家からの需要が高まり
やすいほか、社債の中でも収益見通しがしっかりした銘柄や業種は堅調な動きが見込まれ
る。「タイトなスプレッドをさらに押しつぶす可能性がある」(市場関係者)ため、業績
の好不調で投資対象とするのか否かのニ極化現象がさらに加速するのではないかとの指摘
も出ている。
       
 <10月発行の政地債が相次いで起債へ、住宅金融支援機構がSB型財投機関債>

 来週の起債市場では、10月発行の政府保証債・地方債の利率など発行条件が相次いで
決まる見通し。政保債はナショナルシ団方式で地方公共団体金融機構<0#0906=JFI>(期間
10年、発行額400億円)、高速道路機構 <0#0905=JFI>(10年、1500億円)が
5日に起債する予定。地方債の条件も順次決定する。大阪府<0#0104=JFI>(2年、100
億円)が1日、愛知県<0#0108=JFI>(5年、200億円)が3日、神奈川県<0#0103=JFI>
(10年、200億円)などが5日に起債する予定。東京都<0#0100=JFI>(5年、200
億円)も主幹事方式で3日に起債する方向だ。
 政地債以外では、住宅金融支援機構<0#0943=JFI>が週後半にSB型財投機関債(10年
・15年・20年、各50億円、100億円以上、200億円程度)の起債に踏み切るも
よう。
 社債については、来週に入ってから起債の準備に入る企業が出てきそうで、週の後半に
は具体化する可能性があるという。

  (ロイターニュース クレジットマーケットチーム)

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